“安全装置”のないエレベーターが全国に47万台も…閉じ込め、衝突事故が増加のワケ
「スカイツリーで発生したエレベーター事故は、誰もが知る観光スポットで、20人が5時間半にわたって閉じ込められたという衝撃から、大きな騒動に発展しました」(全国紙社会部記者)
事故発生から3日後の2月25日、東京スカイツリーの運営会社が会見で事故原因を発表。会見では、電力や信号を送るケーブルがカゴの下に設置されているローラーに巻き込まれ、ケーブル内の電線が破損、制御盤のヒューズが切れてエレベーターが急停止したと説明がなされた。問題のエレベーターは2月16日に点検されたばかりで、その際は異常が認められなかったという。
2026年3月5日 6時0分 女性自身
日本のエレベーター
これまた、何とも恐ろしいお話しですが、スカイツリーなどはまだまだ新築からそれほど時間が経っていない感じですが、それでもこれだけ危険で大きな問題が発生してしまうものなんですね。
日本のエレベーターは、世界でもトップの性能と安全性を誇っていますが、最近は製造もさることながら、組み立てやメンテナンスの人材が不足しているところで、新築の工程はエレベーターの納期に合わせて組まれることが多くなっています。
エレベーター業界は以前からちょっと特殊なところもあって、外からは見えにくく非常に閉鎖的なイメージがありましたが、そんなところが安全性を脅かしていなければ良いのですが。
エレベーターの事故と耐用年数
記事によれば、「報道には至っていないものの、閉じ込めや段差につまずいての転倒、揺れによる衝突など、エレベーターの事故は全国各地で多く発生しています」こう語るのは、エレベーター事故問題に詳しい、日本大学理工学部の特任教授という方。
さらに、「近年、人身事故を起こしたエレベーターは、耐用年数を大幅に過ぎたものがほとんどです。メーカーが公表している耐用年数は20~25年。エレベーターの設置台数が急増したのは1990年代ですが、1995年に設置されたものだと、すでに30年が経過しています」(特任教授、以下同)と書かれていました。
設置台数と点検義務
また、日本エレベーター協会の資料(2024年度)によると、現在国内にあるエレベーターは78万2千223台。この中には老朽化したエレベーターが多く含まれる。そのため、安全のためには定期的な点検が不可欠だ。特任教授によると、エレベーターの法定点検は、建築基準法に基づき、年に1回の実施が義務付けられているという。とのことです。
ちなみに、「この点検は一級建築士、二級建築士、または昇降機等検査員の資格を持つ人が行い、その検査結果をエレベーターの所有者や管理者が特定行政庁に報告する義務があります。この法定点検を怠ると、100万円以下の罰金が科されます」
さらに、法定点検とは別に、ビルの所有者や管理会社が自主的にメーカーやメンテナンス業者に依頼して行う保守・点検がある。
「車にたとえると、法定点検は車検で、保守・点検は定期的に運転状態の確認や注油、部品交換など安全な走行を維持するためのメンテナンスといった位置づけです」と書かれていました。
安全性とコスト削減
実は、これまでの習慣では、製造メーカーは新築時の設計・施工を行うまでで、その後のメンテナンスや届出については中小のメンテナスメーカーさんに依頼されるケースが多くなっていました。
しかし、さらに近年の物価や人件費の高騰を背景に、ビルのオーナーや管理会社は、コスト削減のために保守・点検にかける費用を抑えるため、安い業者に依頼する傾向にあり、短時間での作業による点検ミス、見落としといったことが起きる危険性も指摘されている。とのことです。
確かに、オーナーにしてみればランニングコストを少しでも下げたいと考えるのも当然ですし、そこに応えようとする業者がいるのも理解できるところだと思います。が、そのことが事故につながってしまっているということですと、これはもちろん見逃す事は出来ません。
戸開走行保護装置の設置義務
さらに記事によれば、また、これとは別に、エレベーターに潜む大きな問題がある。2006年6月、東京都港区のマンションで、扉が開いたまま上昇したエレベーターに挟まれた男子高校生が死亡する重大事故が発生。
この事故をきっかけに、国は2009年から、扉が開いた状態でエレベーターが動く“戸開走行”を防止する「戸開走行保護装置」(エレベーターのトラブル発生時、すばやく検知してドアが開いた状態でカゴが昇降しないようにするための安全装置)の設置を義務付けた。
ところが、法改正から15年以上も経過しているのに、普及率は全体の約4割にとどまっている。と書かれていました。
いやはや、これはメーカーや所有者、行政の対応も含めて早急に手を打って頂かないと、残念な事故が繰り返される危険性がありますね。
エレベーター使用時の注意
記事では、危険を回避するために覚えておきたいポイントを特任教授にアドバイスしてもらった。
「まず、エレベーター内にある操作ボタンの上段付近にある、法定検査済みのステッカーを確認しましょう。もし自宅マンションで、ステッカーがない、あるいは検査した日付が1年以上期限超過している場合は、すぐに管理会社へ連絡しましょう」
そして、エレベーターに乗っていて、異音、異臭、異常な動きなどを感じたら、行き先方向の階ボタンをすべて押して、止まった階で速やかに退出する。
万一閉じ込められた場合は、落ち着いてスマホやエレベーター内のインターホンでSOSを。
「最終的に事故を防止できるのは、利用される方ご自身ですから、エレベーターを使う際は、五感を研ぎ澄ませておくことも大事です。ふだん利用している自宅マンションや職場のエレベーターなどで、少しでもいつもと違う様子があれば、すぐに点検をしてもらいましょう」と書かれていました。
ちょっと、明日からエレベーターに乗るときの緊張感が違ってきそうですが、まずは自宅や職場のエレベーターを確認しておきましょう。さらに店舗などで利用する際には、少しだけ意識を持っていて頂けると良いかと思います。
安全で安心な住まいをお届けしたいと思います。







