「コンクリート打ち放し」という言葉がデザインにこだわっている代名詞に使われる事が多かったりします。ですが、当社ではコンクリートでRC住宅を作ったからと言ってデザインに優れているとは思いません。大事なのは住宅デザインはその‘素材’をどれだけ上手に使えるか、バランス良くその性能をどれだけ反映できるかに尽きると思っています。性能が良いからと言って、野暮ったいデザインで良いのかというと違うと思いますし、デザインが良いからと言って性能を無視するというのは違うと思います。素材、性能、デザインをシンプルにバランス良く表現する事こそ当社では住宅デザインで一番大切な要素だと考えています。
住宅のデザインはバランスが大事
‘芸術家’として建物に接している設計士の中にはコンクリートの打ちっ放しを得意にしている方も多い様ですが、見た目の格好よさから外壁の外も室内側も打ちっ放しで作ってしまう事も多いようです。
ところが、私が今まで手がけてきた物件等から見ても、コンクリートという材質を考えた場合、コンクリートは非常に熱を伝え易い物質なので日本の場合ほとんどの地域では真冬になると当たり前のように室内側に結露が起きます。「結露が発生するのは当たり前」としてしまうのは簡単ですが、それをそのままの状態にしておくと、カビが生え、そこで暮らす人の健康を害する原因なります。全面真っ黒になっているものはパッと見「格好いい」とする特異な設計士もいるのかもしれませんが、実際にそこで暮らす人にとってはたまりません。カビの胞子が充満する部屋で生活する事が体に良い訳がないのです。自分の作品を残さんがために人の生活に害するものを作ってしまう・・・それはデザイン云々とは全く次元の違う話でしょう。