道路の下に“見えない川”水位上昇であふれ出して冠水…潜む「暗渠(あんきょ)」のリスク 道の「石碑」にヒント
9月11日、東京などに大きな被害をもたらしたゲリラ雷雨。
目黒区では、わずか1時間に134mmもの猛烈な雨が降ったほか、品川区では立会川が氾濫するなど、都内各地で浸水被害が相次ぎました。
2025年10月21日 18時43分 FNNプライムオンライン
暗渠と災害
あまり一般庶民の日常生活では「暗渠」という言葉は使われないのではないでしょうか。
建築設計の仕事をしていますと、暗渠というキーワードを聞くことが時々あります。敷地調査を行なっていると、不自然な通路や緑道などが出てきますので、おおよそそれが暗渠だという察しがつくようになるものです。
記事に書かれていた例では、目黒区にある東急・自由が丘駅周辺の当時の映像で、大量の雨水が濁流となって画面奥から手前の方に流れています。
マンホールからも噴き出し、人は水を避けて建物入り口へ。バイクはなかなか前に進めません。雨水が波立つ道路は、まるで川のようです。周辺一帯は大規模な浸水被害に見舞われました。
一体なぜ、このような状況に陥ったのでしょうか。
見えない川
記事によれば、注目したのは「暗渠」と呼ばれる、地下にある見えない川の存在でした。
元々は谷底ですから、川が流れていた。九品仏川という名前がある川が、ずっとこの緑道に沿って流れていた。都市化を進める中で、上にコンクリートをかぶしたり、蓋をかぶしたりした。
自由が丘駅近くの緑道は、もともと九品仏川が流れていたルート。しかし、1970年代に周辺の土地を有効活用するため、コンクリートなどでふたをし、現在は下水道として利用しています。ということです。
そもそも自由が丘近辺というのは地形的に谷底という立地なんですね、これは渋谷駅周辺も同じような立地ですので、東急さんはそんな場所を選んで開発されたのでしょうか。
そして9月のゲリラ豪雨では、気づかないうちに暗渠内の水位が上がり、水があふれ出した可能性があるというのです。
危険な場所のヒント
恐らく普段から緑道を利用している人で、地下に暗渠があることを知っているという人は少ないのではないでしょうか。そうなるといざ災害の恐れが高まっているような状況でも、緑道沿いに避難したりされると危険ですね。
記事では、気づかぬうちに水位が上がり、あふれる危険が潜む“暗渠”。
それを知るヒントは緑道の石碑です。こうした石碑から、そこにかつて橋があったことや、もともとは川だったことを知ることができます。とありました。
確かに緑道を散歩していますと、所々に暗渠が作られた経緯や元の河川に関する情報が書かれていたりしますので、そんな石碑や看板を探しながら歩くことも必要ですね。
暗渠って、結局、ふたを剥がせば川なので。暗渠ですから、大雨の川に落ちることはないですけど、逆にそこから水があふれてくるとか、そういったリスクは常にある。ということですね。
もちろん自治体にも浸水対策の徹底を行って頂きたいと思いますが、都市部に暮らす住民の常識として、暗渠になっている緑道がどこにあって、どのような危険性があるのかを知っておく必要はあるのではないでしょうか。
もちろんRC住宅なら水害にも安心です。





