東京23区で広がる「定期借家契約」 住宅は「借りても住み続けられなくなる」フェーズに
海外投資家による東京の賃貸住宅の大型取得が続くなか、気になる動きがある。
カナダの大手投資ファンド、ブルックフィールドは、首都圏、大阪圏、名古屋、福岡にある賃貸マンション50棟、約3700戸を1000億円超で取得した。
米ローン・スターも、東京都中央区の「リバーシティ21新川」と「リバーシティ21イーストタワーズ」など、計1166戸を取得したと報じられている。
2026年9月3日 6時55分 日刊ゲンダイDIGITAL
時代の変化と賃貸借契約
ここに来てこの分野でも大きく時代が動くかもしれませんね。
一般的に賃貸住宅に住まわれている方、もしくは不動産投資をされている方、大家さん、多くは現行の賃貸借契約を交わしていることと思います。
日本の法律はどうしても弱者救済に傾きやすいように感じます。それももちろん大事なのですが、もう少し公平性を考えても良いよう思うこともあります。
不動産関係では、不動産賃貸における借家契約(建物賃貸借契約)には、主に「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類がありますが、住宅の賃貸契約ですと前者の普通借家契約がほとんどではないでしょうか。
この契約では、借り主が非常に強く保護されていますので、希望すれば住み続けられる可能性も高いですし、最近は家賃の値上げにも耳を貸さないよう指導されているケースが多いようです。
そんな力関係の中では、あまりにも貸し主となっているオーナーや大家さんの立場が弱く、長い時間を掛けて疲弊していくことが考えられます。
日本の特殊事情
記事にあったのは、人口減少が続く日本で、なぜ海外勢は賃貸住宅に巨額を投じるのか。業界関係者はこうみる。
「狙いは物件価格の上昇ではなく、これまで十分に引き上げられてこなかった家賃だ。東京23区では募集家賃が相次いで過去最高を更新している。賃料収入を増やして収益力を高めたうえで、売却するのだろう」とのこと。
実際にここ30年くらいは、賃貸物件では築年数によって家賃は下がるものという認識が広まっていましたし、家賃の上昇を期待出来る経済環境ではありませんでした。
値上げ交渉の難しさ
さらに記事では、もっとも、賃貸住宅の家賃はそう簡単には上げられない。
既存の契約も反映する消費者物価指数の「民営家賃」は、2026年7月時点で前年同月比0.7%の上昇にとどまる。入居者の退去後に設定される募集家賃が過去最高を更新する一方、現在住んでいる人の賃料はほとんど動いていないのだ。とありました。
そうなんです。多くの大家さんでは既存の入居者さんと家賃の値上げ交渉を行っていますが、簡単には受け入れてもらえていないのが実情ではないでしょうか。その数字が0.7%という数字だとすると、あまりにも寂しい限りです。
ということで、仕方なく退去されたタイミングでのみ、新しい家賃設定で募集を行うしか方法が残されていないということが、これまでの賃貸市場でのスタンダードだったわけです。
定期借家にしよう
続いて書かれていたのは、この壁を、新規契約の段階から回避しやすくするのが定期借家契約(定借)である。定借ならば期間の満了によって契約はいったん終了し、入居者が住み続けるには再契約が必要になる。貸主はその際、相場を反映した新たな賃料を提示しやすい。もちろん条件が折り合わなければ、入居者は退去せざるを得ない。ということ。
すでに20ねんくらい前から、一部の勉強熱心な大家さんでは実施されていた方もいらっしゃいましたが、この定借が唯一のオーナーを守る術にもかかわらず普及しなかったのは、多くの賃貸管理を行っている不動産仲介会社の考えが大きかったように思います。
賃料を支払う入居者に優しく、契約をスムーズに行うために、業界標準に従って、そんなスタンスの仲介会社さんがほとんどだったのではないでしょうか。
記事によれば、物件検索サイト大手LIFULL HOME’sの調査によると、東京23区の賃貸マンションの募集物件に占める定期借家の割合は、2023年の5.9%から2025年には9.5%へ上昇した。まだ1割に満たないとはいえ、その活用はすでに広がり始めている。
「定借の募集物件は急速に増えている。とくに法人が所有する都心のタワマンなどの高級物件や、ファミリー世帯向けの物件で顕著だ。少なくとも東京では、このまま定借がじわじわと広がり、業界標準になってもおかしくない」と書かれていました。
価値があれば値上げも可能
東京23区でも地域や立地、物件のグレードなど条件によって様々ではありますが、RC造の賃貸マンションであれば、築50年でも賃料を上げているケースもありますし、それだけの価値があれば当然のことだと思います。
このままだと、また外資系ファンドや海外投資家さんに、本来なら大家さんが受け取るべき利益をさらわれることになってしまうと大変残念です。
一方で、そうなれば入居者は数年ごとの再契約のたびに、大幅な家賃上昇を受け入れるか、退去するかという選択を迫られることになりますので、東京の住宅問題は、価格が高すぎて買えないという段階から、賃貸で借りても住み続けられないという状態へと変わっていくかもしれません。
弊社なら、不動産投資をお考えのオーナー様や大家さんにとって、より良い結果となるようお手伝いが出来る可能性がありますので、お気軽にご相談ください。






