戸建て全館空調を導入、13年経過 想定外の出費に衝撃
近年の猛暑に加え、光熱費の高騰も相まって、「新築戸建てを建てるなら、エネルギー効率も重視しないと」と考える人が増えています。家全体の空気を循環させ、どこにいても快適な温度を保てる「全館空調」に関心を持つ家庭も多いのではないでしょうか。
2025年8月27日 12時10分 まいどなニュース
全館空調のお問い合せ
弊社では年間通してですと、毎年何件かはこの全館空調にご興味を持たれているお客様がいらっしゃいますので、その都度最新のシステムをベースにケーススタディの上ご提案をさせて頂きます。
しかしながら、弊社にてこれまでにご提案させて頂いた中では、実際に全館空調を採用されたケースは数件しかありません。それもコストは度外視した上でオーナー様のこだわりということで採用されたケースだけなんですね。
やはり全館空調のメリットを最大限発揮させるには、これまでの日本の断熱基準では足りませんので、建物全体の断熱仕様を上げる必要があります。また、家族間の好みによってはどうしても調整しきれない場合も発生します。
ただ、これまでの経験則で言わせて頂くと、メリットよりもデメリットの方が多いように思いますので、全館空調にご興味のある方は冷静に研究の上ご判断されることをオススメします。
見えてきた後悔ポイント
記事によれば、全館空調を導入して13年が経過したAさん(関東在住、40代、主婦)ご一家に話を聞くと、最近になってようやく見えてきた「後悔ポイント」があるといいます。
確かにみんなにうらやましがられた数年間
記事にあったケースを拝見してみましょう。Aさん一家がマイホームを建築したのは13年前のこと。当時はAさんが独身時代から飼っていた猫も一緒に暮らしていました。
建築を依頼した地元の工務店に猫を飼っていることを伝えると、全館空調を提案されました。
「猫ちゃんを家の中で自由に過ごさせたいということでしたら、全館空調はいかがでしょうか。夏場はクーラーをつけていない部屋や外出時が心配になりますが、全館空調なら家中が快適な温度になりますし、24時間稼働が基本なので、つけ忘れもありません。個別空調と違って1台で全室をまかなうので、意外と電気代もかかりません。それに、各部屋にエアコンを設置しないぶん、デザイン面でも好評ですよ」というセールストークだったそうです。
そんな打ち合わせの結果、確かに、ただでさえ猫にはストレスがかかる引っ越しです。せめて新しい家では自由に快適に過ごしてほしい。これから子育てをする上でも、お風呂や廊下での温度差で体調を崩す心配がないのは安心です。予想外の設備投資にはなりましたが、思い切って導入したそうです。
正解の選択
実際に暮らし始めると、冬でもフローリングを裸足で歩けて、夏は玄関を開けた瞬間から家全体が涼しく快適。友人や親せきからも「いいなあ」と言われることが多く、導入してよかったと思っていました。とのこと。
ここまでのお話しを聞いただけで、結果的に良い選択をされたのではないかと思いますし、一度はそのメリットを感じることが出来たわけですから、まずは新築時のチョイスは成功だったと考えて良いのではないでしょうか。
13年後の真実
しかし、記事にあったその後を拝見すると、異変を感じたのは、今年の夏の初めでした。「今年は暑いな。さすがに自動運転だと暑く感じるのかも」と思ったのが最初のきっかけです。
まったく冷房が効いていないわけではないものの、湿度が高く、ジメジメした暑さを感じるようになりました。送風口をよく見ると、時折ホコリの塊や水滴が飛び出してくることに気づきました。
そこでようやく「空調機の故障かも?」と気づいたAさん夫婦は、全館空調を設置した工務店に連絡をしました。
そこでのお話しでは、「13年前ですと、メーカー保証はすでに切れていますね」と言われてしまいました。むしろ、もっと早く故障してくれていた方が良かったのにと思いましたが、どうにもなりません。
記事にあったご家庭の場合、家を建てたとき、空調機の修理にかかる費用は「基板とファンモーターの交換で10万円~30万円程度」とも聞いていました。そのくらいの出費は覚悟していたAさん夫婦。しかし、修理に来た工務店の担当者の話を聞いて驚きました。
「おそらく当時は予算を抑えるためだったのだと思いますが、一世代前の機種が使われていました。この機種は2年ほど前に交換部品の生産が終了しています。基板交換だけで済めばよかったのですが、今回は本体を完全に入れ替えるしかありません。それに、今の機種は一回り小さくなっているので、空いたスペースの補修や壁の修正も必要です。だいたい150万~200万円ほどかかる見込みです」という提案があったそうです。
これはなんともショッキングな提案ですね。恐らく新築時にはその3~4倍くらいのコストを掛けた事と思いますので、空調の維持に相当のコストがかかるということがわかります。
しかも、業者さんの提案では、「各部屋に個別エアコン用のコンセントやスリーブがないですよね。それらの設置費用だけでも数十万円かかるかもしれません。すべての部屋にエアコンをつけた場合、総額はあまり変わらない可能性があります」とのこと。
その後の選択は
それでも個別空調なら、機種の選定も出来ますし、家中のエアコンが一斉に壊れるということは考えにくいので、同等のコストだとしても個別の方がメリットが多いように思います。
結果的にAさんが選んだのは、「来年まではだましだまし使おうかとも考えましたが、猛暑で完全に壊れたら大変なので、結局、各部屋にエアコンを設置しました」とAさんは話します。
「全館空調をリプレイスするとなると、工事期間中は空調が一切使えなくなってしまいます。もしあの猛暑の中でそんな状態になっていたらと思うと、辛かっただろうなと感じます」と振り返ります。と書かれていました。
やはりセントラルタイプの機器や全館空調などの場合、「家中の空調が全部一斉に止まる」と言うところが、大きなリスクになると思いますので、機器の選定は慎重にお考え頂きたいと思います。
高性能住宅なら、結果的に全館空調に近い状態になります。