賃貸住宅契約の「追い出し条項」は違法 最高裁が初判断
賃貸住宅の契約を巡り、借り主が家賃を一定期間滞納するなどした場合は物件を明け渡したとみなし家財道具を処分できるとした家賃保証会社の契約条項の有効性が争われた訴訟で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は12日、規定は違法とする初判断を示した。
条項では、家賃を2カ月以上滞納▽連絡が取れない▽物件を長期間使用していない▽物件を再び使用する意思がない-という要件を満たせば、物件を明け渡したとみなし、会社側が借り主の同意なしに家財道具を搬出できるなどと規定。こうした規定は俗に「追い出し条項」「明け渡しみなし条項」などと呼ばれる。
2022年12月12日 15時34分 産経新聞
今日の気になった記事は上記の通りです。
以前から問題になっていた「追い出し条項」
この件は以前から業界内でも話題になっていましたが、ようやく最終的な判断が下されたようです。
記事にもありましたように、家賃を2カ月以上滞納するなどの要件を満たせば建物の明け渡しがあったとみなす家賃保証会社の条項を「無効」と判断し、この条の使用差し止めを命じました。最高裁が特定の契約条項の使用差し止めを命じるのは初めてだそうです。
確かに消費者保護という観点からすれば、少し乱暴な契約条項だったかもしれませんが、一方で貸主のオーナーを守る手段としては一定の効果があったのではないでしょうか。
そもそも契約とは。
一般的に契約というものは対等な立場が基本だと思いますし、契約があったならばその義務を履行する責任が生じているわけです。それは賃貸借契約でも同じです。
そんな中で、1ヶ月も2ヶ月も家賃を滞納した時点で問題が発生しているはずです。だとすれば、消費者の保護と同時に貸主の利益を守るということも、当然に行われなければいけません。
そんな要望が多くなれば、もしかすると今後は入居審査の基準や保証金が高くなったり、実際に借りたい人が借り難くなったりするかもしれませんね。
自力救済は禁止ですから。
ちなみに、今回の判決でも根拠とされているのが、自らの権利を司法手続によらず実力行使で実現することを「自力救済」と言いますが、これは原則として禁止されています。
建物賃貸借の場面でいえば、借主が家賃をいかに滞納したとしても、自力救済、つまり司法手続(訴訟・強制執行)によらずに借主を退去させて家財を撤去することはできないのですね。
仮に貸主が、部屋の鍵を替えて追い出したり家財を勝手に外に搬出したりすれば、不法行為として民事上は損害賠償請求の対象となります。また刑事上は、住居侵入罪や窃盗罪など刑事罰の対象となるのです。
保証会社や貸主は、たとえ借主が家賃を長期間滞納して連絡が取れない状況であっても、司法手続によらない限り中の荷物を搬出することは出来ないんです。
これではあまりにも貸主のオーナーだけにリスクが大きすぎますよね。
弊社では、そんなオーナーのリスクを少しでも軽減し、安定経営のお手伝いが出来るように、賃貸経営のノウハウをお伝えしたりしていますので、お困りのことがございましたら是非お気軽にご相談ください。
同じ築年数なら木造アパートよりもRC造マンションの方が圧倒的に資産価値がありますし、賃料の下落が緩やかだったり、そもそもRC造で入居者さんに喜ばれる住まいを提供していれば、トラブルも少ないように思います。
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