「きれいに元に戻ると言ってほしい」液状化でズレた土地境界 再登記へ法整備含め見直し議論 住宅再建の足かせ解消目指す
能登半島地震で深刻な被害をもたらした液状化。地震によって土地がずれ、境界が不明確になったことで、被災者の住宅再建に大きな影響が出ています。
こうした現状を受け、土地の再登記に向けて、新たな法律の整備も含め、制度の見直しが議論されることになりました。
2025年5月19日 18時20分 MRO北陸放送
液状化の弊害
震災が発生しますといろんな影響があるもので、自分が所有する土地の形が変わってしまうこともあるわけです。
これも地盤の強い良好な土地であれば、そのような被害は発生しにくいのですが、砂地などで比較的軟弱な地盤ですと液状化が発生してしまい、地表面の形状も変わってしまうということです。
50センチも移動
まず記事にあった被災者さんによれば、「道路の間に歩道があった。この歩道がこの分だけなくなった。50センチくらい。」とおっしゃっていました。
この石川県内灘町西荒屋に住む被災者さん。地震による液状化で、宅地と道路の境界にずれが生じました。ということです。
また、宅地の隣や後ろにある住宅との境界は、どうなるか決まっていません。液状化により地盤が横滑りする「側方流動」の被害を受けた住宅では、宅地や道路の境界にずれが生じたことで、新たな土地の境界を確認し、登記をし直す必要があります。
しかし現在のルールではあくまでも民間任せで、住民同士でこの確認作業を行う必要があり、住宅再建への足かせとなっています。
敷地確定を急げ
被災後に住宅を建て替えしようと思っても、敷地の形が変わっていればもちろんその面積も変わってしまいますので、全ての元になる敷地が確定しないと、確認申請を進めることも難しいでしょうから、まずはご近所の方達と境界線の確定を急がなくてはなりません。
こうしたなか9日、県庁で自民党の小野寺政調会長と面会した馳知事は、被災者にとって大きな負担となっている現在の登記制度について、新たな法整備を含めた見直しを要望されたということです。
その内容は、市や町が主体となり境界の位置や面積などを調べる「地籍調査」のみで、土地の再登記ができるよう国に求めました。というもの。
この要望を受けて、国や県、それに関係する市や町は5月中にもプロジェクトチームを立ち上げ、地籍の再調査や土地の境界を決める際の具体的な方法の検討を進める方針です。
元通りに戻して欲しい
被災者の方は「我々田舎の人間は、どれだけ上ですごい制度を作ろうが何しようがわからない。そんなことよりも、きれいに元に戻してくれるという一言が欲しいだけ。多少時間はかかってもきれいに戻りますよ、ここはちゃんと住めるんですよ、ということだけを言ってほしい。」と言われていました。
住民の方にとってみれば本当にそのとおりでしょう。被災してしまったことを少しでも元に戻したい、出来れば全ての時間を巻き戻したいと思われているに違いありません。
震災対策にRC住宅
震災対策という点では、なるべく地盤の強い土地が理想ですが、全ての土地が恵まれているわけではありません。もし地盤強度が不足している場合でも、補強方法がありますので安心してください。
しっかりと地盤補強をした上で、建物はRC住宅で建てることが出来れば、どんな震災でも安心して暮らしを続けることが可能です。