頭痛に吐き気、肌がかぶれて真っ赤に…化学物質過敏症の当事者が苦しむ「香害」
今回は、化学物質過敏症の当事者が苦しむ「香害」について取材しました。
香りで体調を突然崩す「香害」
化学物質過敏症というのは、生活環境の中の微量な化学物質に接することにより、体調が悪くなる症候群であるとされています。
その中でも、今まで嗅いだり触れたりしていた香り・におい…例えば、洗濯用洗剤や柔軟剤、シャンプー、虫よけスプレーや工作用具の糊の香りなどによって、突然体調を崩すなど、健康被害を受けるのが「香害」です。これは消費者庁や各自治体などによっても定義されています。
2023年8月1日 16時27分 TBS NEWS DIG
私もアレルギー体質です
私も少なからずアレルギー反応が出やすい体質ですので、この化学物質過敏症の方々の大変さも、少しは理解出来るかと思います。
弊社建物のオーナー様の中にも、同様の過敏症で大変重い症状に苦しんでおられる方がいらっしゃいますが、その過敏さ加減は一般の方が想像する何倍も大変なもので、お話を伺うたびに驚きを隠せません。
その不調は香害かも
記事に書かれていたのは、5年前に突然、香害に悩まされるようになった化学物質過敏症の当事者の佐藤さん(仮名)に詳しくお話を聞きましたと言うもの。
ーーいつ、香害に気が付いたのでしょうか?
「友人と銀座で待ち合わせて会う時に電車に乗って行きますよね。そうすると電車に乗るたびにお腹を壊すんですよ。で、そういうことが続くものですから。その時に気が付いたんですが、電車の中で隣に座ってた人がものすごい柔軟剤の匂いのする服を着てるわけなんです。
で、それでお腹を壊したんじゃないかっていうのと同時に、そういえば今までお腹を壊したのも、みんなそんな匂いがする人たちだったなっていうことから、これはおかしいんじゃないかっていうことで、インターネットで調べ始めた時に『香害』という言葉に当たったわけなんです。あぁこれかもしれないと思いまして」という当事者さんのお話しでした。
症状は様々です
また、記事によればこの辛い香害ですが、日常生活にも支障が大きく、防毒マスクをしないと電車やバスに乗れないというほどの人もいるそうですし、佐藤さんは外出も控えているため、2年くらい健康診断にも行けずにいます。仮に病院に行っても、病院職員の着衣の柔軟剤や洗剤のにおいで体調が悪くなってしまうのだそうです。
それでもこの当事者である佐藤さんは「私は軽い方なんです」と話します。患者のなかには、職場などの環境で体調を崩して仕事を辞めざるをえなくなり、生活に困窮して死活問題になっている人もいるそうです。症状も本当に人それぞれで、頭痛に吐き気、肌がかぶれて真っ赤になってしまう人もいらっしゃるということ。
患者さんのネットワーク
今日の記事で紹介されていたのは、こうした公害に悩む患者たちの声を集めてできたネットワークがあるそうです。それが「カナリア・ネットワーク全国」という団体で、全国各地に点在する香害で困っているそれぞれの小さな声をまとめて多数の声として社会に発信しようと、少しずつ活動しているそうです。
この団体さんの名称にあるカナリアというのは何故かというと、石炭を掘り出す炭鉱で働く坑夫たちは、窒息ガスや毒ガス早期発見のための警報として、鳥の「カナリア」を使ったそうなんです。カナリアが空気の変化を素早くキャッチしたので、「カナリア・ネットワーク全国」の名前もそこに由来しますということ。
子どもも悩まされている
今回の記事によれば、さらに香害は大人だけでなく子どもも悩まされているそうです。教室内にいるクラスメイトの服についた匂いや、教室内の建材に含まれる化学物質による香害で、保護者を巻き込んで対策を講じているそうです。
最後に、当事者さんはこの香害はすでに単なる個人の香りの好みではなく、もはや公の害の方の“公害”に近いという意識をみなさんに持ってもらいたい。と話してくれました。
大切な空気をコントロール
ここからは私個人的な意見ですが、過敏症の方にこそ高気密高断熱の高性能住宅に住んでいただくことが、少しでもリスクを減らせる方法ではないかと思います。
基本的な換気システムで室内の空気を適切にコントロール出来ますし、少しでもコンクリートの素材があれば、多孔質の性質で物質を吸着することも出来ますので、RC住宅がオススメなんです。
過敏症の方も快適に過ごせる住宅をご提供したいと考えています。