マンション管理費が2万円突破、首都圏で初めて…サウナなど共用施設の充実や人件費の増加で
分譲マンションの維持管理費が上昇している。
2023年の首都圏の平均管理費は初めて月2万円超となり、修繕積立金と合わせると3万円に迫る。共用施設の充実や人件費の増加などが要因で、物件価格の高騰とともに購入のハードルを上げている。
2024年7月15日 18時28分 読売新聞オンライン
暮らしのランニングコスト
これからの日本で暮らしていくには、まずは住まいをどのような形にするのかで、掛かるランニングコストにもだいぶ差が出そうな感じです。
分譲マンションでの暮らしをお考えの方には、十分注意して頂きたいところです。すでにいろんなところで見聞きしているとは思いますが、物件の購入を考え始めた途端に、ランニングコストを忘れられることも多いのではないでしょうか。
首都圏の平均管理費
記事によれば、不動産調査会社の東京カンテイによると、23年に首都圏の新築分譲マンションの平均管理費(70平方メートル換算)は前年比4・1%増の月2万358円となった。管理費を押し上げているのは、住民が共同で使える共用施設の多様化だ。とありました。
高騰の要因
確かに、折り込み広告などを見ていても、テレワークに対応したワークスペース、屋上のテラス、来客者が泊まるゲストルームなどなど。とあるデベが今秋、東京都文京区で売り出す大規模マンション(全522戸)は、共用施設の充実が売りだということ。
また、同社の再開発推進部長は「大規模物件ならではの多彩な共用施設に注目してほしい」と話す。最寄りの地下鉄駅まで徒歩10分の立地だが、朝の通勤・通学時間帯には管理組合がシャトルバスを運行。マンションと最寄り駅を往復する。のだそうです。
他の物件でも昨年9月、共用施設に本格的なサウナを設けた分譲マンションを東京都昭島市で発売。全481戸が完売となる人気ぶりだったとか。
バブル時代にも
このようなニュースを目にしていますと、バブル時代のリゾートマンション開発競争を思い出しますね。
当時は私も伊豆半島を中心にリゾートマンションの設計に多く関わらせて頂いていました。まだどこも採用していない造波プールやダイビング用プール、もちろん温泉施設にも工夫を凝らしていました。
ところが、10年を超えて来ますと建築物も少しずつ劣化が進んできますし、その維持管理にはそれ相応のコストが必要ですので、後から負担に感じることもあるでしょうね。
また、記事によれば東京カンテイによると、東京23区の23年の管理費は平均月2万4165円と、10年前から約6000円増加した。「管理にかかる人件費の上昇も費用を押し上げている」という。管理業務を外部に委託する「第三者管理方式」を採用するマンションが増えていることも上昇の背景にある。
修繕積立金も高騰
一方、将来の大規模修繕に備える修繕積立金も上がっている。23年は首都圏で前年比9・9%高い平均月8729円となった。建築資材や人件費など修繕にかかるコスト増が理由で、管理費と合わせると月の負担は2万9087円に上る。ということです。
この修繕積立費については、マンションのみならず一戸建ての住宅でも、もちろんメンテナンスが必要になりますので、出来るだけしっかりと準備をしておいて頂きたいところなんですけど、マンションよりは一戸建ての方が自分の判断で決められる分、気が楽ですね。
記事にもありましたが、修繕積立金はマンション購入時には低めに抑えられているが、年数がたつと段階的に増額されるケースが多いようですね。国土交通省の調査では、修繕積立金が計画に対し不足しているマンションは全体の36%に上り、物件によっては今後さらに負担が重くなる可能性があるということ。
建物の維持管理コストも
現在も続く建築費の高騰は、新築のみならずメンテナンスや改修工事でも、もちろん進んでいますので、規模の大きなタワマンなどでは、10年後にどのくらいのコストアップになるか、想像出来ている管理組合はほとんど無いでしょう。
中古マンションを購入する場合でも、この修繕積立金の計画と残高はしっかりと確認しておく必要がありますし、そこに住み続ける以上永久に支払い続ける必要があるランニングコストには、くれぐれも注意して欲しいと思います。
自分のペースで暮らしたい人には、マンションと同等以上の住み心地を実感出来る、一戸建てのRC住宅がオススメです。