老朽化マンション建て替え促進へ改正法案、条件満たせば建て替え決議4分の3以上に緩和など
老朽化したマンションの建て替えや改修を促すため、政府は、区分所有法など関連法を一括改正する法案をまとめた。
築年数を経たマンションが今後増えることを見据えた対応で、法改正により、一定の条件を満たした場合に建て替えに必要な所有者の決議の要件を緩和するほか、税制面の支援を強化する。政府は、開会中の通常国会に法案を提出する予定だ。
2025年2月18日 22時55分 読売新聞オンライン
政府の無策
この問題もまた、なかなか解決できない日本の構造的な社会問題として、きっと後世にまで言い伝えられることと思います。
もう何十年も前から、この時期が確実に迫ってくるということもわかっていたのですが、相変わらずの茹でカエル状態で、入居者さんも行政も国も何ら対策を行って来ませんでした。
築古マンションの増加
記事では、国土交通省によると、2023年末時点で築40年以上のマンションは137万戸ある。43年末には約3・4倍の464万戸に増加する見通しで、住民の高齢化や空き家の増加で、費用負担や合意形成が難しくなることが懸念されている。とありました。
この数字は分譲マンションの数字ですので、それは相当な数に違いありませんが、ここからさらに20年後には3.4倍にも増えてしまうということです。
まあこれまでにそれだけ造ってきたということですので当たり前なのですが、このような築年数が50年を超えてからの建物の取扱いをどうするか、というところが問題だと思います。
建て替えスキーム
記事にもありましたが、現在、建て替えの決議には所有者の5分の4以上が、取り壊す場合には全員の同意が必要となっています。
これを改正により、耐震性の不足など一定の条件を満たす場合に、必要な所有者の同意の割合をいずれも4分の3以上に緩和する。また、決議に反対として扱われている所在不明の所有者については、決議の母数から除外できるようにする。ことを目指すようです。
また、取り壊して敷地を売却する場合や、大規模に改修する「一棟リノベーション」を行う場合には、法人税や事業税などを一部免除する。ことも考えているそうです。
このほか、法案には、所有者からマンションの管理業務の委託を受けた業者が、修繕や清掃などの業務を自社やグループ企業に発注する際に、住民への事前説明を義務付ける措置なども盛り込んだ。とも書かれていました。
延命して資産としましょう
確かに旧耐震と言われる耐震基準の建物ですと、ちょっと心配なところもありますが、一般的に分譲マンションの仕様であれば、築年数50年程度ならまだまだ使える建物だと思います。
もちろん維持管理の度合いにもよりますが、定期的なメンテナンスを行っていれば、100年を目標に使って頂きたいと思いますし、そうすることで建物を資産と考えることが出来るのではないでしょうか。
一般的には、分譲マンションの建て替えは非常に難しく、個々の条件が全く違う住民の同意をまとめることは困難だと言われています。
さらに、ここ数年で進んだインフレによる工事費の高騰も、メンテナンスや修繕費用の不足を招いている状況ですので、それも同意をまとめる障害になるような気がします。
私個人的には、無理に建て替えを進めることよりも、状態を確認の上修繕をし、しっかりとメンテナンスを行っていけば、十分資産価値を維持出来るのではないかと思いますし、何よりも環境負荷が少なくて済みます。
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