日本とフランスでこんなに違う「インテリア」事情。すてきな部屋をつくる3つのルールとは
WEBやインテリア雑誌で見る、おしゃれなフランス人のインテリア。シックなのにさりげないナチュラルさがあったり、個性的であったり。どうしたらそんな空間がつくれるのか。
フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さんが、フランス人に聞いた、招きたくなるフランス流のインテリアのコツをレポートします。
2024年7月25日 20時0分 ESSE-online
フランスに注目
今まさに世界の注目を浴びるフランスですが、その華麗な歴史とでも言いましょうか、ファッションを始めとするいろんな文化を、これまでも世界に発信してきてくれていたと思います。
また、インテリアや建築についても、独自の様式美を持って歴史のページにも残されていますので、そこはもちろん大いに参考になるのではないでしょうか。
フランス的インテリアのルール
記事に書かれていたのは、雑誌の「世界おしゃれスナップ特集」で必ず取り上げられるフランス人のファッション。力が抜けているのに雰囲気があってすてきです。インテリアも同じように、パリでも地方でも自分のプライベートな空間をおしゃれで個性的に飾っている人が多いと感じます。ということ。
今日の記事で紹介されていたのは、フランス的すてきな部屋をつくる3つのルールというものですが、世界が近くなった今の時代では、フランスに限らず共通のセオリーと言えるものかもしれません。
左右対称
1:フランス流おしゃれなインテリアの基本は「左右対称」
パリのアパルトマン、地方のファームハウス、ヴェルサイユ宮殿の一室、建物の規模やスタイルが違っても共通している1つのルールは「シンメトリー、左右対称」を基本にしていることです。「左右対称」はフランス人が小さいときからよく目にするバランスです。
シンメトリック、これは日本でも美の様式として受け継がれているところだと思います。ただ一般家庭のインテリアで意識されているかというと、ちょっと疑問もあります。
記事にあった例では、玄関のコンソールテーブルの両端に左右対称で同じランプを置く。窓の両側に同じ大きさの額に絵を入れて飾る。簡単で取り入れやすいルールですが、それだけで落ち着いて見えるので我が家でも取り入れています。とありました。
様式を合わせる
2:インテリアデザインのスタイルや様式を合わせる
どんなインテリアにするかはそれぞれの好みですが、フランス人の、とくに私たちの親世代のインテリア好きは、インテリアの様式をそろえることを守っているようです。
たとえば、優美で華のある「ルイ15世様式」、もう少しシンプルな「ルイ16世様式」などです。馴染み深くない言葉かもしれませんが、フランスの王様たちと取り巻くご婦人たちはその時代のインフルエンサーでした。彼らの好んだ様式が当時流行して今でもその名前が残っています。
この様式や型を守り続けるということが、実は非常に大切なことだと思います。しっかりとした様式や型があって、それが守り続けられているからこそ、型破りや型を崩すことが出来るわけで、そこから新しい様式が生まれるんですよね。
オリジナルスパイス
3:好きな個性を表現するため基本に「自分のスパイス」を加える
好きな様式やスタイルを決め、家具をシンメトリーに配置することで、落ち着いた空間のベースができます。でもそれだけにとどまらないのがフランス流。そこに自分だけのスパイスを加えます。
たとえばきらびやかな感じのルイ15世様式のインテリアがあったとします。同じ様式のテーブルの上にモダンな黒いランプを合わせてみる。壁に飾る絵はその時代の絵の写しではなくて、抽象的な現代アートにしてみる、というような感じで、アクセント的に違うテイストのものを置くのです。
すてきは世界共通かも
そういうことです。これは決してフランスだけのものではありません。日本においても一つのセオリーとして、インテリアを考えるときに使って欲しいルールです。
著者さんによれば、50、60代の友達の家に行くと、それぞれ好みのクラシックや、ナチュラルな空間の中にモダンな要素が取り入れられていることが多いようです。スパイスを多くし過ぎるとアクセントにならないので分量を考える、というのが上級者の腕の見せ所ですね。と言われていました。
この機会にフランスのインテリアをちょっと取り入れてみるのもいいかもしれませんね。ただし、ステキな部屋はステキな家からです。建物本体はRC住宅に限ります。