電気代の高騰が気になる今、「エアコンの買い替えで節約できる?」メーカー2社に聞いてみた結果
エアコンの消費電力は家庭の全消費電力の25%をしめています。となると、今の電気代高騰と4月の電気料金改定によって、エアコンの買い替えで節約できるようになるのかが気になるところですね。
そこで、自社の家庭用エアコンが、2022年度に省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞したパナソニック、2021年度に同賞を受賞したダイキンの協力を元に検証してみました。
2023年4月23日 20時50分 All About
エアコン大丈夫ですか?
春もだいぶ慣れてきたこの頃、少しづつ視界に入ってくるのが梅雨からの夏です。
そうなると気になるのがエアコンですね。ちょっと前にも書きましたが、すでに試運転はしてみましたでしょうか?
昨年までは特に異常なく使えていたかもしれませんが、いざ本番というときに故障が発覚する。家電あるあるとも言える状況になっている可能性もあるでしょう。
製造から8年以内くらいの機器だとまだ安心できますが、9年を超えている場合は多少の覚悟をされておいた方が良いかもしれません。
電気代が気になるし
記事にもありましたように、最近の電気代高騰によって、毎月の電気代が気になるようになった人も多いのではないでしょうか。
そんな時代ですから、エアコンを買い換えることで、運転時の消費電力が少なくなり、それによってエアコンにかかる電気代が安くなっているというのは、聞いたことがある人も多いでしょうし、そこに投資してみようかなと、考えていた人もいらっしゃるでしょう。
10年前との違いは
記事では特に使用時間が長い「リビング」で使用するエアコンの売れ筋としては、「14畳タイプ」になるのだとかで、代表的な10年前と現行モデルについて、パナソニックとダイキン両社の担当者に教えてもらいました。
パナソニックさんの担当者さんは「実は、エアコンはこの10年間機器としての省エネ性は高止まりです。1年間の期間消費電力量で63kWhしか変わらないので、年間としては約2000円の違いにしかなりません(2013年「Xシリーズ CS-404CXR2」と2023年「Xシリーズ CS-LX403D2」の比較)」とおっしゃっていました。
ダイキンの担当者さんも「同様にカタログ表記の消費電力量の差は31kWhです(2013年「うるさら7 AN40PRP」と2023年「うるさらX AN403ARP」の比較)。エアコンの消費電力量は、1990年頃から2010年頃までの間に飛躍的に向上し、半分以下に削減されました。その結果、近年では消費電力量に大幅な差が生まれなくなってきています」ということ。
これは意外なことに、ここ10年ではカタログ上の消費電力量に大きな違いはないのだとか。エアコン自体がヒートポンプなど省エネな技術を使った機器であることが理由だそうです。
消費電力だけではありません
しかし実は、新しいエアコンには単純に「運転時の消費電力が少ない」だけではない、電気代の節約になる要因もあるということ。逆に言うと、古いタイプのエアコンでは消費電力の要因以外に、無駄な使い方をしてしまっていることもあるということです。
ここでもパナソニックさんは「弊社のエアコンの場合、フィルター自動お掃除『あり』『なし』で1年後のフィルターを比較すると消費電力量は最大で約25%も変わります」と書かれていました。
これはダイキンさんでも「弊社でも同様に『1年で約25%』をご案内しています。また、弊社では別途、3年分のホコリが溜まったエアコンを使って実測してみたのですが、約50%の消費電力量のムダが発生する結果となりました」と書かれていましたので、やはりフィルターの汚れだけでも、効率に大きな影響があることがわかりました。
メーカーイチオシは
次にこの国内メーカーイチオシの機能を教えてもらいました。
まずはパナソニックさん、「2020年から搭載している『エネチャージ極上冷暖房』です。エネチャージは、捨てられていたコンプレッサーからの熱エネルギーを再利用し、暖房時の霜取り運転に有効活用する世界初の技術だそうです。
さらに夏の冷房運転にも有効活用できるようになり、従来の冷房よりも約10%も省エネな上に、温度も湿度もキープし、快適性まで向上させることができているということです。
一方ダイキンさんでは「『うるさらX』に搭載した『さらら除湿』がおすすめです。2021年発売のモデルでさらに進化した除湿方式『リニアハイブリッド方式』により、梅雨や春雨、秋雨の時期や、近年増加する高気密高断熱住宅といった比較的除湿しづらい環境でも、快適で高効率な除湿が可能になりました」と書かれていました。
さらに「上記以外にも、『しっとり冷房』という、冷房による乾燥や冷えを抑えながら、通常の冷房より約15%も省エネになる機能もあります。電気代の高騰からエアコンの使用を控えてしまう方も多くいらっしゃいますが、これから夏に向けては体調を崩してしまうことも考えられます。とのことです。
買い替え=節約ではないけど
これらメーカーさんのアドバイスからわかるのは、買い替えることがイコール節約になるかというと、必ずしもそうというわけではありません。買い替え時には、エアコン本体価格、取り付け価格、また旧エアコン処分に対して家電リサイクル法にそったリサイクル料金などの支出も考えておかなければならないからです。
ただ、上記のようにエアコンの機能はここ10年でいろいろな面でかなり進化しているため、自分の生活に必要かどうかを総合的に考える必要がありそうです。
結果として、やはり製造から10年というところが一つの区切りとしてあるのも事実で、設計上の耐用年数として10年を経過していれば、買い替えを検討しても良いと思いますし、本気で省エネを実現するなら、建物の断熱性能を上げることの方が効果的だと思います。
電気代の節約を考えたら、新しいエアコンと断熱性能の向上を目指して検討されてみては如何でしょうか。
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