「防災のプロ」が徹底指南! 地震対応の”新常識”
「地震のときにはトイレに逃げ込め」「大きな揺れが来たらまず台所の火を消そう」。かつてはこうした対応が地震のときの常識だと考えられていましたが、防災プロデューサーの永田宏和氏によれば、時代に合わせてその常識をアップデートしなくてはならないといいます。
2025年10月9日 12時0分 東洋経済オンライン
防災常識も日進月歩
世の中の変化スピードがどんどん速くなっていますが、災害時の対応などもその常識が着々と変化していますので、常に最新情報に更新しておく必要があります。
まず記事にあったのは、皆さんご存知の昭和の常識です。
Q.あっ、地震だ! そのとき、防災のプロならまず何をする?
①火を消す
②机の下にもぐる
③ドアや窓を開ける
どれも間違いです。かつての常識は、古くなっています。日本は地震が多いので、昔から伝わるたくさんの教訓がありますが、防災の常識は日進月歩しています。過去からの言い伝えだけでなく、ぜひ最新の情報を知っていただきたいと思います。と書かれていました。
行動の正解3つ
ではどんな行動が正解なのでしょうか。いざ大地震が起きたときに、どのような行動をとればいいのかについてお伝えします。大前提として、どんな災害でも大切なのは、次の3つだと考えています。
・自分自身の命を守ること
・大切な人とのつながりを切らさないこと
・長期戦になっても心身を健康に保つこと
大地震に遭遇したら、「どうしたら大切な”物”を失わずにすむか」などではなく、とにかく「どうしたら”命”を守れるか」をまず考えて行動していただきたいと思います。とのことです。
昭和の言い伝え
さらに、これも昭和の言い伝えとして長い間常識とされていましたが、今は少々状況が違っているようです。かつては「家の中ではトイレがいちばん安全だから、地震のときにはトイレに逃げ込め」と言われていたようです。たしかに昔ながらの木造家屋のトイレは、四隅の柱と梁の距離が近いので崩れてくる心配が少なく、家具も大きなガラス窓もないため、家の中では比較的安全な場所でした。
ですが、近年の家屋のトイレには、四隅を頑丈な柱で囲まれていないタイプもあります。また、タンクが割れて水が噴き出たりするケースもあります。ですから、必ずしもトイレが最も安全とは言えないのです。ということ。
机の下
もう一つ昭和の言い伝えです。学校では、「地震が来たら、すぐ机の下に逃げ込む」と言われていたかもしれません。防災訓練で、先生の号令とともに各自の机の下に潜った経験をお持ちの方もいるでしょう。
けれど学校と違って、家の中には家族全員がそれぞれ逃げ込める机はないのではありませんか? 食卓の下に逃げ込めばいいと思うかもしれませんが、大きな揺れではテーブルそのものが大きく動いてしまう可能性も高いのです。とのこと。
最新常識
では実際に被災したときにどのような行動をすれば良いのでしょうか。記事によれば、地震が起きたとき、家の中ではどこが最も安全だと思いますか? 近年は「玄関」が最も安全だという声も聞きます。たしかに玄関は構造的に頑丈で、倒れてくる家具が少なく、リスクが低いと言えます。さらに、外に避難しやすいという利点もあります。とありました。
もう一つ、あるいは「階段の下」に空間があり、落ちてきたり飛んできたりしそうな物が近くになければ、そこに逃げ込むのも比較的安全でしょう。とも。
災害後の対処法
次にあったのは、意外と知らない「災害後」の対処です。
かつては大きな揺れが来たら「まず台所の火を消そう」と言われていました。
ですが、近年のガスコンロは、震度5以上の揺れを感知したら自動的に火が消える仕様になっています。ですから、無理してまで消そうとはせず、あなた自身の命を優先させる行動をとってください。
都市ガスも、プロパンガスも、マイコンメーター(ガスの使用量を測る計器)が揺れを感知して、自動的に止まります。ですから逃げるときに、ガスの元栓を閉める必要はありません。
それよりも、自動的に止まったガスを再開させる方法を知っておいてください。知らずにいて、あとで困る方がとても多いのです。
マイコンメーターに付いているキャップを回して外し、赤い表示ランプが点灯するまでボタンを押すだけです。3分後にランプの点滅が消えたら復帰完了。いつも通り、ガスが使えます。もしかするとメーターにも復旧の仕方が書いてある場合もありますので、確認しておかれると良いと思います。
ご存知の通り、東京での家づくりもだいぶ変わってきましたね。省エネ基準適合を受けることが義務化されたり、一般標準家庭では注文住宅を建てるのは現実的に難しい状況です。一方で住宅=木造という概念も少しは変わったのか、鉄筋コンクリート住宅の価値に気付かれる方が増えた気がします。