QOLが下がる家の特徴ランキング、1位は?
AlbaLinkは6月16日、「QOL(生活の質)が下がる家の特徴」についての調査結果を発表した。調査は2025年5月27日~6月4日、全国の男女500人を対象にインターネットで行われた。
2025年6月16日 17時21分 マイナビニュース
QOL(生活の質)が下がる家
これはまた興味深い調査の結果が発表されていましたので、目を通しておきましょう。
今回の調査を行ったのは、買取を専門に行っている不動産業者さんのようですので、自社の経営戦略にも使えるような資料を集める目的で調査をされたのではないでしょうか。
構造と性能が大事
まず記事にあったのは、全国の男女500人に、住んでみて実感した「QOL(生活の質)が下がる家の特徴」を聞いたところ、1位は「日当たりが悪い(21.2%)」だった。2位「断熱性能が低い(12.8%)」、3位「壁が薄い(12.6%)」と続く。
建物そのものの「構造や向き」「住宅としての性能」などが上位に入ったことから、QOL低下の主な原因は建物自体にあるとわかった。なお日当たりについては、向きや窓の大きさなど建物自体に理由があるケースと、「周りに高いビルが建った」など周辺環境に理由があるケースがある。と書かれていました。
ここまで読んでみて、ずいぶんと時代が変わったなというのが私の印象です。
と言うのも、ちょっと前までの日本では、暑さや寒さは我慢するものという意識を植え付けられていましたし、そもそも家に対して性能を期待されることも少なかったです。
弊社が高性能住宅の取り組みを始めた30年近く前では、断熱材を使われていない住宅がほとんどでしたし、日本人の一般市民はもちろん専門家でも、まだまだ住まいに対する知識や理解が足りていなかったと思います。
日本もここに来てようやく省エネ性能が義務づけられるなど、一定の断熱性能が当たり前になってきましたので、実際に高性能住宅に住んだことのある方が増えていけば、広く国民の皆さんにも認識して頂けるようになると思います。
記事にあった1位「日当たりが悪い」
1位「日当たりが悪い」には、「日当たりが悪い家。暗いため電気をつける時間が長くなり、冬が寒いため暖房をつける時間が長くなり、光熱費が上がる。気分が晴れず、心なしか体調を崩しやすい気もします」(30代 男性)、「北側にしか窓がついていないワンルームマンション。夏の涼しさは何物にも変えがたいくらいだったのですが、とにかく日が当たらないため、洗濯をしても室内にしか干せません。部屋の中もなんとなく薄暗く、冬になると寒くてたまりませんでした」(50代以上 女性)といった声が寄せられている。とありました。
確かに日当たりは重要ですが、これも建物の性能で緩和できることもありますし、単身者の方で日中留守にすることが多いのであれば、必ずしも直射日光を受ける必要はありません。ただし、住む地域の晴れ日数は意外と重要かもしれません。
2位「断熱性能が低い」
2位「断熱性能が低い」には、「断熱性がなくて西向きの家。盆地で夏は暑く冬は寒い地域だったので、冷暖房しても夏の夕方は家の中が灼熱で、冬はとにかく寒かった」(30代 女性)、「とにかく寒い。北側の部屋を寝室として使っていたら、冬に壁と天井にカビが生えました。大家さんに伝えて天井はキレイにしてもらいましたが、その際屋根に断熱材が入っていないこともわかり、がっかりしました」(40代 女性)といった声が集まった。
とても残念な経験ですね。日本という国土は刻々とその環境も変化していて、いつもお伝えしている通り、夏は長くより暑くなり、冬もまた長く寒くなっていますので、春と秋は徐々に短くなっています。
そんな過酷な日本で、快適な暮らしを省エネで実現する方法が、断熱性能を高めるということなんですけど、まだまだ普及が進んでいないのが現状です。
3位「壁が薄い」
3位「壁が薄い」には、「防音性能の低い木造アパート。「隣人の喋り声」「テレビの音」「物を落とした音」などがはっきり聞こえるため、ストレスだった」(20代 男性)、「壁が非常に薄く、隣の部屋の毎日ライブDVDを見ている音が漏れてきた」(30代 女性)といった声が寄せられている。
これまた残念なご経験です。今後はR C造のマンションをお選びください。
4位「古い」
4位「古い」には、「社宅の団地。築年数が古すぎて、冬はものすごく寒い。配水管が古すぎて、割れる」(40代 女性)、「古くて設備が劣化していた貸家。断熱性が非常に低く、山間部だったので冬に暖房をつけても部屋がなかなか暖まらず、ストレス要因でした。キッチンや浴室も狭くて使い勝手が悪く、自炊や入浴もおっくうになり、生活習慣が乱れてしまいました」(50代以上 男性)との声が挙がっている。
こちらも今後は一戸建ての住宅に限らず、賃貸住宅でもRC造を選ぶ方が増えるでしょう。
5位「湿気がこもりやすい」
5位「湿気がこもりやすい」には、「湿気がすごくて、脱衣所や下駄箱がカビていた」(30代 女性)、「湿気が多く、寝室の隅では黒カビが発生していることもあった」(30代 男性)といったコメントが寄せられている。
実はこれも日本人が住まいに対する知識や理解が足りていなかった部分なんですね。昭和の住まいには換気扇が設置されていませんでした。今でこそ24時間換気もだいぶ認識されてきたように思いますが、ちょっと前までは、キッチンのレンジフードだけしか換気設備が無い状況でした。
しかも、窓さえ開けていれば自然と風が入ってきて、勝手に湿気をとってくれると信じて疑わなかった人がほとんどでしたので、それでは湿気が留まってカビが繁殖しても不思議ではありません。
もし短い春の間にちょっとだけ窓を開けっぱなしにしていた、という方はすぐに全ての窓をしっかりと閉めて施錠してください。その上で24時間換気を稼働させて、エアコンをつけっぱなしにしてください。
他には以下の通りQOLが下がる家の特徴順位が掲載されていました。
6位「部屋が狭い」
7位「周囲がうるさい」
8位「虫が出る」
なぜQOLが下がる家を選んだのか
次に記事に書かれていたのは、なぜQOLが下がる家を選んだのかという問いには、「予算の都合(50.2%)」と回答した人が最も多く、全体の5割を超えた。2位「立地が良かった(39.6%)」も4割近くと多くなっている。アンケート結果から、QOLが下がる家を選んだ理由としては、経済的な事情が大きく影響しているとわかった。とありました。
これですね。もちろん高性能な建物を建てるにはそれなりにコストがかかりますが、高性能な建物なら圧倒的に光熱費が削減出来ますので、実はトータルでお得に暮らすことが可能です。
次にQOLが下がることによる影響
実際にQOL(生活の質)が下がることによる影響があるということで、その1位は「ストレスが溜まった(26.0%)」だった。2位「体調不良になった(19.8%)」、3位「寝不足になった(19.6%)」が続く。
QOLが下がると精神面にも身体面にも影響が出て、不調にもつながるとわかった。また経済的な影響を挙げた人もおり、QOL低下の影響が多方面に及ぶとわかる。と書かれていました。
最後に、今後QOLが下がる可能性のある家に住みたいと思うか
「今後QOL(生活の質)が下がる可能性のある家に住みたいか」という問いには、「絶対に住みたくない」と答えた人が75.8%にのぼった。QOLが低下する部屋に住んでみて苦労したので、「もう住みたくない」と感じるのも当然といえる。とのことでした。
まあ当たり前の回答でしたね。人間の生命と健康に多大な影響を及ぼす住まいは、安全と安心が一番大切です。新鮮な空気と快適な温熱環境を保つことが求められる性能です。
ここまで読んでみてはっきりわかるのは、住まいをRC住宅にすれば、それだけでQOL(生活の質)が上がるということです。是非ご検討ください。