プロには外から見ただけでわかる…全国にジワジワ拡大する”外来シロアリ”が住み着いた家の”小さな兆候”
長く住み続けられる家は何が違うのか。住まいるサポートの高橋彰社長は「耐震性や断熱性・気密性など家の性能はもちろん重要だ。しかし、シロアリ対策を怠るとすべてが台無しになるリスクがある。とくに、いま全国で拡大中の外来種は非常に厄介だ」という――。
2025年10月19日 17時16分 プレジデントオンライン
住宅は木造?
日本の本州各地では、戸建住宅=木造と思われている方がほとんどですし、これまで一般庶民の家といえば木造と思われてきました。ただ沖縄ではかなり前から家はRC住宅というのが常識なんですけどね。
それだけに、すでに木造住宅に住まわれている方も多いと思いますが、今日の記事はかなりショッキングな内容となっていますので、読み進めるには覚悟が必要かもしれません。
実は最近、東京と神奈川の一部地域で、今まであまり見られなかった種類のシロアリが急増しているということなんですが、まだあまり周知されていないようです。
アメリカカンザイシロアリ
今日の記事でも筆者は、この問題は、おそらく日本におけるこれからの大きな社会問題に発展するのではないかと危惧しています。
なぜならば、地面から1mまでの柱や土台しか防蟻していない日本の住宅が、今後「アメリカカンザイシロアリ」と呼ばれる新しい外来種に対してまったく無防備な状態であり、このシロアリによる被害が面的に拡大する可能性が高いからです。ということです。
そこで、これから家を建てるもしくは購入するならば、アメリカカンザイシロアリ対応について、施主がきちんと知識を持つことが必要です。
日本のシロアリ
ここでおさらいをしておきましょう。従来のシロアリ被害をもたらしてきたのは、主にイエシロアリやヤマトシロアリという「地下シロアリ」に分類されるシロアリです。
これらのシロアリは、十分な水分がないと生きていけません。そのため、水分が豊富な地中に巣をつくり、床下に唾液や土で「蟻道」と呼ばれるトンネル状の通路をつくり、いわば地中から住宅に「通勤」して、家の構造材を食害します。そのため、「地下シロアリ」と呼ばれます。
ということですので、これまでのシロアリ対策といえば、地面に近い部材の蟻害リスクが高いということで、現行の建築基準法や劣化対策等級3の基準では、地面から1mまでの防蟻処理を求めているのです。
また、「地下シロアリ」は、定期的に床下を点検して蟻道がなければ、シロアリ被害が発生していないことをある程度判断することが可能です。
そのため、現在主流となっている5年程度で防蟻効果がなくなる合成殺虫剤系の防蟻処理であっても、床下を定期的に点検することで、シロアリ被害が発生していないことを確認することが可能ということだったのです。
外来種の特徴
ところが、最近アメリカカンザイシロアリという外来種による被害が急増しているということなんです。
この外来種は「乾材シロアリ」という括りで、従来の「地下シロアリ」とはまったく生態が異なり、非常に厄介なシロアリだということです。
記事によれば、地下シロアリより乾燥に強く、家の構造材に若干残っているわずかな水分で生きることができます。ということ。
厄介なところ
この外来種は、従来のシロアリと比較して、次の4点がとても厄介なのです。
ポイント①発見が難しい
ポイント②従来の防蟻処理は通用しない
ポイント③ヒノキが大好物
ポイント④駆除が困難
これは本当に厄介ですね。まずこれまでのシロアリと行動パターンが全く違うということで、これまでは地面から来ていたものが、外来種は空から来るということですので、自ずと対策も変える必要があるでしょう。
さらにヒノキが大好物とあっては、これまで売り文句としていた「当社は全てヒノキ材を使用しています」ということでも、外来種には効果がないということです。
そしてこのアメリカカンザイシロアリの駆除は今までの地下シロアリとは駆除の方法が異なり、特別なノウハウが必要です。ということ。
記事によれば、本場米国での駆除方法は、家全体をシートで覆い、ガス化した殺虫剤で24時間以上燻蒸する方法が一般的です。ただし致死性のガスであり、住宅密集地での使用は難しいので、日本ではこの駆除方法を用いることはできません。とありました。
駆除方法は
そこで他の方法としての駆除作業は、アメリカカンザイシロアリが開けた小さな穴の巣の入り口見つけ出し、長年のカンで巣の終点付近にドリルで穴を開け、そこからホウ酸水溶液を注入します。入り口から注入した水溶液が出てくれば、その巣のシロアリは死滅します。
ただし巣は、複数、ひどいケースでは家中に広がっているため、一つ一つ巣を見つけ出し、この作業を行っていきます。被害が深刻なのは、小屋裏のケースが多いようです。とありこの時のコストがおおよそ100万円程度ということです。
いやはや、これは本当に厄介ですね。折角耐震等級を高めたのに、あれだけこだわった間取りなのに、シロアリの被害に遭ってしまったら台無しです。
シロアリ被害が無い構造躯体をお探しなら、住まいはRC住宅がオススメです。