家賃高騰で「広さ」を妥協?「自分が我慢すれば…」と若年層は“近さ”優先か 戸建ても…?
家賃相場が過去最高を更新する中、いまコンパクトな狭小物件が注目されています。
キャスター:物価高の今、固定費を見直して、家賃を削るという人が増えているということです。2025年12月16日 19時30分 TBS NEWS DIG
不動産価格の高騰
ここ数年、不動産価格についてはちょっと目を離しているとすぐに、2、3割価格が高騰していたりしますので、多くの方が諦めモードの状況だと思います。
残念ながら、買える人と買えない人に2分されてしまっているようにも感じますが、その影響はもちろん賃貸住戸にも及んでいます。
家賃設定も物価上昇や建築費の高騰によって順次値上げが進められていますが、特に新築ではその影響も大きいので、周辺との競合もある中ではオーナー様も悩みどころかもしれません。
23区賃貸物件の平均賃料
記事にあったデータは下記のとおりです。
【東京23区賃貸物件の平均賃料】※不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」調べ
▼ファミリー向き賃貸(掲載賃料の平均)
2020年11月:16万7166円
2025年11月:24万4579円
▼シングル向き賃貸(掲載賃料の平均)
2020年11月:9万1368円
2025年11月:11万9139円
となっていました。
もちろんこれは23区の平均ですので、おおよそ都心部の駅近物件が平均を大きく上げているのではないかと思います。
入居者希望賃料
ちなみに、掲載賃料の平均は11万9139円ですが、反響物件(ユーザーが問い合わせた物件)の平均賃料は、シングル向け賃貸で9万6914円と、差は過去最大の約2.2万円だといいますので、貸す側と借りる側との相場観にズレがあることがわかります。
賃貸住宅を借りる人ももちろん予算があるでしょうし、インフレのスピードに収入が追い付かない状況では、毎月の出費を少しでも抑えたいと思って当然です。
「LIFULL HOME’S総研」副所長さんによると、「賃料を抑えるための“妥協で”▼古い、▼離れる、▼狭めるの3つが選択肢に入ってくる。ひとり暮らしの若年層は『自分が我慢すれば』と考え、近さを優先し、狭小物件を選ぶ傾向にある」ということです。
狭小物件の工夫
記事にあったのは、狭小物件を作る側・貸し出す側も、狭くても快適な生活を送ってもらいたいとさまざまな工夫を凝らしています。
例えば、浴槽を設置するスペースがない分、足湯ができる「アシバス」が設置されている物件もあるといいます。足元に蛇口があり、10センチほどお湯をためられるようになっています。
また、キッチンの収納に鏡が取り付けられていて、洗面所も兼ねています。一つの場所で全て完結できる工夫がされているということです。
壁にたくさんの穴が開いている物件もあるということですが、狭小物件には収納が少ないので、壁に衣類をかけて保管できるようになっています。と書かれていました。
虫カゴ住宅の時代
昭和の時代ではウサギ小屋といわれていた日本の家ですが、今の時代はさらに小さくなってしまっていますので、そのうち虫カゴ住宅とか言われそうですね。
しかも、これは賃貸住宅に限ったことではなさそうで、今、コンパクトな戸建ても人気だといいます。
記事によれば、東京23区の新築マンションの平均価格は、1億4402万円(平均専有面積66.67㎡)となっていますが、一方で、専有敷地面積60㎡未満の新築戸建ての平均価格は7454万円です。
総額を見ると、マンションに比べて建て売り住宅の価格が半分程度となるため、コンパクトな戸建てが人気だということです。
これはあまり良い方向ではないように思います。それまで1棟の住宅があった場所に3棟の建て売り住宅が建築されたりしています。もちろん以前からあった手法ですが、家を買って消費するスクラップアンドビルドが繰り返されることに変わりがありません。
マンションも一戸建ても価格を抑えるためにどんどん小さくなっているということですが、せっかくの一戸建てなら、安全安心で資産になるRC住宅がオススメです。





