熊本・能登地震が示した「地震に耐える家」に必要な3つの条件とは
復興が進み、10年前を振り返る報道が増えていた熊本を、7月28日に再びM7.1、最大震度7の揺れが襲った。2016年の熊本地震でも、同県内で震度7が2度観測されている。残念ながら、日本は大地震が繰り返される災害大国である。繰り返す地震に、自分の家は耐えられるだろうか、そんな思いが改めて頭をよぎった方も少なくないだろう。
2026年9月18日 5時0分 ダイヤモンド・オンライン
木造住宅の信頼性
この記事はなかなかショッキングな内容ではないでしょうか。
阪神淡路大震災以降、日本の建築基準法はバージョンアップを繰り返し、同時に耐震基準強度も見直されてきました。その効果は確実に発揮されていて、木造住宅でも一定の安心感を得られるようになっていたと思います。
しかしながら、それでも戸建て住宅では先日まで構造計算は免除されて、大工さんの経験と勘で建てても良いということになっていましたので、なんとも残念な基準でした。
そんな一般庶民標準の木造住宅が少しでも信頼出来るようになったのは良かったのですが、ここでもまだ伝えられていなかったことが、表面化してしまったということのように思います。
地震ダメージの蓄積
記事によれば、これまで、多くの人がよりどころにしてきたのが耐震基準であり、現行の2000年基準はもっとも信頼できる指標と目されてきた。だが、2016年の熊本地震と2024年の能登半島地震のデータの詳細を追うと、その信頼を揺るがすような事実も見えてくるのだ。
10年前、2016年の熊本地震の発生後、国は被害が集中した益城町周辺で木造住宅の調査を実施している。建てられた時期ごとに倒壊した割合を見ると、旧耐震基準の住宅が最も被害が大きく、新耐震基準(1981~2000年)で8.7%、現行の2000年基準で2.2%。基準が新しいほど倒壊は少ない、というデータが出ている。
ただ、気になる調査結果がある。地震から2年後の2018年、大学の研究グループが同じ地域を再び訪ねて調べた結果によれば、2000年基準の住宅のうち、10.2%がすでに更地となり、7.9%が建て替えられていた。合わせて18.1%、およそ2割弱が解体されたか建て替えられていたことになる。と書かれていました。
これはかなり不都合な真実だと思いますが、結果として明らかになったのは、木造住宅で耐震基準を高めたからと言って、長期的に安全という保証は無く、地震を複数回経験した場合にはかなりのダメージが残ってしまうということです。
倒壊しなくても解体に
続いて書かれていたのは、要するに倒壊した割合自体は2.2%にとどまったものの、解体もしくは建て替えた住宅はその約8倍にも上るわけだ。震度7を2回、震度6強・6弱を計5回観測した地域で、倒壊こそ免れながら、解体や建て替えを余儀なくされた住宅がこれだけある。基準を満たしていただけでは、個人の住まいと資産を守り切れない現実が浮き彫りになった形とも言えるだろう。とのこと。
やはり国が考えている耐震基準というものは、あくまでも最初の地震時に命を守るために、どれだけ時間稼ぎが出来るかという点を数値化したものということです。
木造の健康維持は困難
そしてさらにショッキングなデータが紹介されていました。
それは、耐震の「基準」はもちろんのこと、建物の“その後”も被害を左右する。実際、2024年の能登半島地震に関する国の調査では、シロアリなどの被害がある住宅とない住宅とで、倒壊の割合に差が出ている。新耐震基準の住宅では、被害がない家の倒壊率5.0%に対し、被害がある家は13.2%と約3倍。2000年基準では、被害なしの0.5%に対し、被害ありは7.7%にまで上がっていた。
2つの地震のデータから、住宅のリスクは耐震基準だけで測れない、ということがおわかりいただけたと思う。とのことです。
そうなんです。木造住宅では当然有機物の木が使われていますので、シロアリの被害が発生する可能性がありますし、条件によっては腐敗が進む場合もあり、その状況では当然耐震性能も低下してしまいます。
木造が地震に耐える条件
そこで記事では、繰り返す地震に耐えうる家の条件とは何か。焦点は次の3つの軸に絞られる。として紹介されていました。
(1)立地と地盤 液状化の被害は築年数を問わない
(2)初期性能 熊本・能登で「倒壊ゼロ」を証明した耐震等級3
(3)築後の維持管理 シロアリや雨漏りで倒壊リスクは一気に跳ね上がる
まあどれも常識的な内容ですが、記事にあった能登のデータが示す通り、どれほど初期性能が高い住宅であっても、劣化を放置すれば設計通りの性能は発揮できない。施工が適切であったとしても、年月とともにシロアリや雨漏りが構造材を傷めれば、耐震性は確実に低下する。定期的な点検と補修によって、建築時の状態をいかに維持できるかが重要となる。ということです。
では自然災害が相次ぐ時代に、いったい何を信じたら良いか、その答えとして信じるべきは基準の数字ではなく、築年数に応じた今の家の状態で、必要に応じて手を打つこと。
やはり理想は無機質の材料であるRC(鉄筋コンクリート)造で建てられることをオススメしています。





