【熱工学の専門家が解説】「エアコンつけても足元寒い」コールドドラフト現象の仕組み ”夏仕様”な日本の家は寒すぎる!?健康リスク&対策は
寒い冬は家にこもりがち。しかし家の中にいたとしても、室内の温度差によっては健康リスクを招く可能性もあるのです。 例えば「暖房をつけているのに足元が寒い」と感じることはありませんか?実は、そこには危険が潜んでいます。 命にもかかわる家の寒さ。どういった対策があるのでしょうか。
2026年2月1日 12時0分 MBSニュース
断熱と正しい使い方
ようやくこのような内容が一般的なニュースでも報道されるようになったのは、それだけ市民権を得たというか、皆さんの認知度も上がってきたということでしょう。
弊社では約30年前から断熱に注目して、多くの断熱材を試しながら最善の住宅を目指してきました。その中では、従来の日本家屋での暮らし方が、多くの方の潜在意識に刷り込まれていることで、正しい住まいの使い方をご理解いただくのに多くの時間がかかりました。
家の窓は基本的に開けない、空調はつけっぱなしで使用する、換気も当然24時間稼働させる、などの正しい使い方をマスターし、太陽光と蓄電などもご理解いただけるとより省エネが実現できます。
室温は18℃をキープ
まず記事に書かれていたのは、寒いと言われている冬の日本の家。居間・寝室・脱衣所ともに、WHOが推奨する冬の最低室温=「18℃」を平均で下回っています。
▼居間 平均16.8℃
▼寝室 平均12.8℃
▼脱衣所 平均13.0℃
このデータもいつもお伝えしているとおりで、先進国では真冬の室内温度を18°C以下にしてはいけないことになっています。これが人間の生きる環境であり、健康維持に必要な温度ということです。
次に書かれていたのは、都道府県別に冬の在宅中平均室温を比較すると、関西各地ではWHO推奨の「18℃以上」を下回っていて、一番寒いのが香川で13.1℃です。一方、一番温かいのが北海道。寒冷地の住宅は高断熱・高気密化が進んでいるためだと考えられます。
全ての部屋を暖かく
また、日本の住宅で「室温18℃」を「居間のみ」満たしているのが4割、「居間・寝室・脱衣所」のいずれも満たしているのが1割というデータもあります(住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査 第9回報告会 資料より)。と書かれていました。
この環境が家を危険な場所にしている大きな原因で、長く言われ続けているヒートショックも発生させていますし、多くの健康被害の原因にもなっているわけです。
「夏仕様」「質より量」日本の家が寒いワケ
なぜ日本の住宅は寒いのか?山梨大学大学院の准教授は、日本は夏が暑く湿気が多いため、風を通す家のつくりになっているからだと話します。
また、戦後に“質より量”で新築を確保したため、寒さに強い家が少ないという事情もあるようです。と書かれていました。
これもその通りで、私も30年近く言い続けていますが、人間の命よりも木材の方が大切だったり、空調の無い時代の家づくりでは、柱と屋根だけでよかったわけです。
危険すぎる家
次に記事にあったのは、冬に注意が必要なのが「低体温症」。厚労省によると、熱中症よりも死者数が多い年もあり、2024年における低体温症の死者数は1394人。そのうち85%が65歳以上の高齢者です。
過去10年間(2015年~2024年)で搬送された人の約8割は「屋内発症」(郡山地方広域消防組合より)となっていて、「家にいるから安全」ではないことが分かります。とありました。
また、寒い家で過ごすと、「転倒」のリスクも。実際、春・夏よりも秋・冬の転倒件数が多くなっています。
<季節ごとの1日あたりの転倒・転倒事故・ニアミスの件数>
▼春 2.4件
▼夏 3.1件
▼秋 3.8件
▼冬 4.2件
さらに、高齢者の転倒の約半数は住宅内で発生しているというデータもあります(消費者庁)。
こちらもお伝えしていますが、転倒の原因としては、住宅の寒さが筋力・身体能力の低下と関連し、転倒リスクを高めた可能性、あるいは、絨毯やカーペットを敷く・スリッパを履く・厚着をするなどで転倒リスクを高めた可能性が考えられるということです。
コールドドラフト対策
最後に記事にあったのは、エアコンをつけているのに足元が寒い…それは「すきま風」ではなく「コールドドラフト現象」のせいかもしれません。ということですね。
このコールドドラフトとは、暖かい空気が部屋の上にたまる一方で、窓で冷やされた空気が部屋の下にたまる現象を言います。とありましたが、実際はこの温度差で気流が発生することなんですね。
記事では、窓の近くで温度を測ったLIXILの実験では、頭上(23℃)と足元(16℃)で「7℃」の差が出ています(国内の住宅の約7割が該当する建築基準の部屋で実施)。
コールドドラフトの対策として、熱工学の観点から最も効率がいいのは「エアコン」だと准教授は指摘。さらにサーキュレーターを2台使うのが理想だと言います。
具体的な使い方としては、エアコンの吹き出し口を「下向き」にして部屋の下に温風を送り、それをサーキュレーターで受けて冷たい空気が集まる窓側へ流す、その空気を2台目のサーキュレーターでエアコンの方へ…といったように空気を循環させて、部屋を暖める方法を推奨しています。加えて、断熱カーテンを使うとより効果的だということです。
高性能住宅はRC住宅
ちなみに、記事によれば、2027年度には家庭用エアコンの省エネ基準が大幅に見直されます。現在の格安モデルは販売困難になり、エアコン価格が高くなる可能性も。いわゆる「エアコン2027年問題」です。とのこと。
もし、そろそろエアコンの買い替えを予定されているのであれば、このタイミングで交換を検討されてみてはいかがでしょうか。
高性能な住宅をお探しなら、RC住宅がオススメです。






