緑化の影響?都市部で「野生動物」目撃相次ぐ…感染症の懸念も、専門家「近づいたり餌与えたりしないで」
都市部で近年、長らく確認されていなかった在来種の野生動物の目撃が相次いでいる。
都市公園の増加などが背景にあるとみられる。豊かな自然が回復したとの見方がある一方、感染症などのトラブルも懸念される。専門家は、見かけても近づいたり餌を与えたりしないよう注意を呼びかけている。
2026年5月11日 15時0分 読売新聞オンライン
都市の緑化と不都合な真実
ちょっと複雑な感じのニュースですが、もしかするとこれは誰かにとって不都合な真実となってしまうのでしょうか。
なんとも人間の身勝手な、都合の良い話なのですが、コンパクトな都市を作ろうとしたところ、やっぱり緑も欲しいし自然も感じたい、ということで建物を新築の際には緑化が義務づけられたりしてきました。
その甲斐あって、都市部にも一定の自然が回復したということなのか、詳しくは専門家の方にお任せしたいと思うものの、ここで言う自然はあくまでも人間が作った自然風の緑地だと思います。
アナグマが生息
記事によれば、マンションや戸建て住宅に囲まれた東京都の都立光が丘公園(練馬区など)。2024年6月19日深夜、ずんぐりとした体の小動物が茂みから現れ、周囲を見回した後、すぐに姿を消した――。
小動物の正体はイタチの仲間のアナグマ。目の周りの黒い模様が特徴で、地面に穴を掘って暮らす。都の委託で19年から自然観察調査を行っている認定NPO法人「生態工房」(東京都三鷹市)が設置した暗視カメラが捉えた。とのこと。
当社事務所からも比較的近い場所にある光が丘公園ですが、戦後に米軍の住宅があった跡地で、その後大きな団地と広大な公園になったところなんですね。小学生の頃には開発前の広場に遊びに行った記憶があります。
ですので、公園になってからまだ50年くらいしか経っていないと思いますが、それでも半世紀あれば野生動物も戻って来れるということでしょうか。
絶滅から回復
さらに記事では、「東京都レッドデータブック(本土部)2023」によると、アナグマは戦前には東京区部で見られたが、戦後は区部では絶滅したことになっている。生態工房の佐藤方博事務局長は「まさかこんなところで見られるとは思わず、驚いた」と振り返る。25年3月には同NPOのメンバーが公園内の林で巣穴も発見し、同5月には再びアナグマの姿の撮影にも成功した。ということです。
実は板橋区内の各地でもそんな目撃情報は多く、私も隣地の庭でタヌキを目撃したことがありますし、やはり近所の赤塚公園では、タヌキやイタチの生息が確認されているようです。
記事によれば、環境省が2022年に発表した分布調査によると、アナグマは10~21年度、北海道と沖縄県を除く広い範囲で生息情報が確認された。00年代の調査結果と比べ、首都圏周辺などで分布の拡大傾向がみられた。
都市部でアナグマが再び見られるようになった理由として考えられるのが、都会の緑が豊かになったことだ。都によると、14年に5771万平方メートルだった都市公園の面積は昨年、6124万平方メートルまで拡大した。東京農工大の小池伸介教授(生態学)は「戦後の宅地開発などで一度は山奥に追いやられたが、公園や河川敷など緑地の樹木が育って住める環境が回復し、戻ってきた可能性がある」と指摘する。と書かれていました。
コンクリートジャングルへ
なんとなく違和感を感じてしまうのは何故なのでしょうか。人が暮らす場所に緑があることは良いことに違いありませんが、そこに人間以外の動物や昆虫は住み着いてほしくないというご意見を感じてしまうからでしょうか。
以前にもお話ししたことがありますが、「コンクリートジャングル」という言葉が使われていた時期がありました。これは都市部にビルが乱立している様子を想像させ、ネガティブなイメージを植え付けたキーワードではないでしょうか。
私個人的には、人が暮らす地域には火災や地震などの災害に強いコンクリート住宅が多くなり、文字通りコンクリートジャングルになってくれたら良いのに、と思っています。一方で、本来なら共存したいところですが、自然と他の生き物たちとは、しっかりと棲み分けを行い、保護をするべきだと思います。
東京ノースでは
記事では、珍しい野生動物の目撃例はアナグマだけでない。東京都板橋区では24年秋、荒川の河川敷に設置されたカメラでキツネが撮影された。区によると、区内でキツネの確認は初めてで、区の担当者は「川沿いをつたって来たのではないか」と話す。生態工房によると、キツネは今年1~2月、光が丘公園でも確認された。とのこと。
先ほどの私の感想と重複する内容でしたが、近年、全国的に熊の被害が拡大していて、熊以外にも人間以外の動物と共生することはやはり難しいことかもしれません。
共生と棲み分け
記事にあったのは、野生動物は人の健康や生活にマイナスの影響を及ぼすこともある。
その一つが、人間にも感染する「人獣共通感染症」だ。近年、都市部で見られることが多くなったタヌキについて東京都は、ダニが原因の皮膚病で脱毛した個体が目撃されているとして、見かけた際に都への連絡などを呼びかけている。タヌキはほかに、農作物の食害や民家にすみ着くことによる排せつ物の被害なども問題になっている。とありました。
教授は「アナグマやキツネは人を積極的に襲うことはないが、野生動物であることに変わりはない。触らない、近寄らない、餌を与えないなど、一定の距離を保つよう徹底してほしい」と話している。
子ども達だけで遊んでいたりしますと、猫や犬と同様にかわいいと思って手を出してしまうこともあるかもしれませんし、今後は空き家に住み着くということも問題になるかもしれません。
何とか上手に棲み分けが出来るといいですね。






