隈研吾氏設計の美術館が劣化でボロボロに…改修費3億円に住民衝撃 ふるさと納税で修繕計画も賛否
4日、取材班が向かったのは栃木・那珂川町。
豊かな自然に溶け込むように建てられた「那珂川町馬頭広重美術館」は、県外からも多くの人が訪れる人気の観光スポットです。
しかし、近づいてみるとある異変を発見。
黒ずみ、腐食した屋根。
ところどころ木材が折れ曲がり、激しく傷んでいるのが分かります。
2024年9月4日 18時43分 FNNプライムオンライン
先生。
これはさすがの隈先生も、その耐久性と工事費の高騰は想像出来なかったのではないでしょうか。
いつものことながら、地域原産の木材を使って、日本の建築美を表現した。のだと思われますが、建築物を消耗品としてお考えだったか、または芸術品としてお考えだったとしても、その寿命の短さは疑問に思わざるを得ません。
築24年です
記事によれば、この建物は完成して24年の美術館。老朽化が進み、3億円にも及ぶ大規模改修工事の必要に迫られていたのだそうです。
多額の費用に、町民からは「無駄ですね。撤去してもらいたい」「えー!?3億円!?大丈夫ですかね…」などと、驚きの声が広がっています。とのこと。
記事にも書かれていましたが、この那珂川町馬頭広重美術館を設計したのは、世界的に有名な建築家・隈研吾氏。木材を使った日本的な建築を手掛けることで知られ、国立競技場のデザインも担当しました。
老朽化が進む那珂川町馬頭広重美術館では、地元産の八溝杉(やみぞすぎ)を細く加工し格子状に並べていました。
激しい劣化
屋根や壁に使われる杉の木はもともと美術館の内部のように黄金色に輝いていましたが、雨や風にさらされたためか、この4~5年で劣化が激しくなったといいます。
さらに町民の方が言っていました。ちょっとじゃないです。かなりボロボロになってきている。前はきれいだったが、今は真っ黒になって曲がったり、破損したり…。
資金集めと言い訳
記事によれば、改修費用3億円を調達するため、町は、あの手この手で資金集めを始めています。
ウナギや和牛がそろう那珂川町のふるさと納税。町はこうした資金も美術館の改修費にあてるといいます。更に、クラウドファンディングでも資金を募集。
その資料の中で美術館の設計を手がけた隈研吾氏は、老朽化の原因について、木を守るための保護塗料が今と比べて性能が低かったことを挙げています。
え~!有機物である木は燃えますし、朽ちて分解されることはわかっていたはずです。それを保護塗料の性能が低かったと。
町の財産としなければならないはずの建築物だったはずですが、すでに老朽化が進んでしまっているとのこと。何とも残念な限りです。
建築は資産です
さらに記事に書かれていたのが、建築エコノミストさんは老朽化が早まった原因を「屋根の上に棒のように並べてデザインとして取り付けている杉なので、どうしても屋根の下にあるわけではないので傷みやすい。そこまでの予算がかけられなかったのでは」と指摘します。とのこと。
いやいや、屋根を支える垂木を屋根の上に並べたのは、単にデザインとして取り付けただけの意味しかありません。その取付環境が過酷な屋根の上ということは最初からわかっていたはずです。それを予算がかけられなかったという言い分はありませんね。
那珂川町は美術館がオープン25周年を迎える2025年には、大規模改修を行いたいと考えています、ということですが、折角改修工事を行うのならもう少し耐久性の高い方法を検討された方が良いでしょう。
もし、これから新たに自治体の建物を建てるなら、林業の保護とか国産木材の使用を考えることとは別に、費用対効果と耐久性、資産性を考えて、RC造にされることをオススメしたいと思います。