都内で「狭小物件」が脚光 利用時の注意点は? ブームは続く? 不動産鑑定士が解説
近年、「風呂なし物件」のほか、広さが3畳程度のいわゆる「狭小物件」が注目されているようです。これらの物件について、SNS上では「作業スペースとして1部屋欲しい」「金がないから」など、さまざまな声が上がっています。
狭小物件は主に東京都内にあり、一般的な物件よりも家賃が安いといわれていますが、利用するときは、どのような点に注意すべきなのでしょうか。また、狭小物件の“ブーム”は続くのでしょうか。
2023年3月7日 6時10分 オトナンサー
狭小物件とは
今日の記事は、狭小住宅と言えども一戸建てのそれではなく、共同住宅の中でも最小の間取りを狭小物件として取り扱っていました。
ちょっと前にも報道で紹介されていたかと思いますので、ご存知の方も多いと思いますが、13平米~15平米くらいの最小面積で住居が作られていました。
近年は土地の価格と建築費が高騰してしまっていますので、共同住宅に投資をされているオーナーさんの利回りを確保するために、どこで効率を上げられるかを考えた結果が、最小の面積で住居を作り、共用部分もギリギリまで縮小するなどの工夫がされています。
記事にもありましたが、そもそも狭小物件の基準について、どの程度の広さの物件を指すのでしょうか。実は狭小物件の明確な基準はありませんが、近年では多くの自治体で、一定規模以上の共同住宅を対象に、条例(ワンルーム条例)で最低住戸面積を定めています。東京23区では主に25平方メートル以上、首都圏の他の自治体では主に18平方メートル以上が多いですね。
仮に最低住戸面積が18平方メートルだとしても、約11畳です。そのため、例えばキッチンなどを含めて10畳未満の部屋は、狭い部類の物件に属すると考えられるということ。
ニーズはある?
次に記事にあった質問では、主にどのような人が狭小物件を利用しているのでしょうか。また、狭小物件は増えているのでしょうかというという問いに対して、狭小物件は、主に家賃を抑えたい人が利用しています。都内は一般的な広さのワンルーム住宅の賃料が高いため、狭小物件のニーズは高いとありました。
しかし、狭小物件は急激に増えているわけではなく、都内では狭小物件に興味を持つ人が多いため、その分、情報を発信する人も増え、あたかも物件が増えているような印象を持つのかもしれないということです。
メリットとデメリット
次に、狭小物件を利用するメリット、デメリットについて教えてくださいというとう問いに対して。「メリットは、先述のように家賃が安いことです。ただし、家賃の総額は安いですが、1坪(約3.3平方メートル)当たりの単価は、むしろ一般的な広さの住宅よりも高い場合があります。坪単価だけを見れば、一般的な物件を借りた方が得な場合もあります。
デメリットは、狭くて住みにくいことが挙げられます。風呂や収納スペースがないだけでなく、家具が置けないなどの制約も多いです。形状の悪い物件も多く、実際の面積よりもさらに狭く感じる物件もあるそうです。
トラブルは?
次はオーナーさんも気になる、狭小物件について、これまでにどのようなトラブルが発生しているのでしょうかという問いに対して、「狭小物件は狭いため、『臭い』『湿気が多い』などのトラブルがあります。
トイレやバス、食事のにおいが部屋中に充満しやすいほか、シャワーを使用したり、洗濯物の室内干しをしたりすると、湿気がこもります。また、都市部の物件が多いため屋外からの騒音も多く、上下左右の住戸からの音が気になる物件もあります」という答えでした。
ブームは続くのか
最後の問いは、狭小物件のブームは落ち着いていくのでしょうか。それとも、ブームがより加速するのでしょうかというもの。
その回答としては「先述のように都市部の多くの自治体では、一定規模以上の共同住宅を対象に最低住戸面積を定めているため、狭小物件が急激に増えることは基本的にはありません。今後、新築される可能性のある狭小物件は、条例の規制に該当せず、合法的に建てられる小規模な共同住宅です。
ただし、小規模な共同住宅は賃貸経営の効率性が低いことから、それほど増えないでしょう。仮に狭小物件が増えるようなことがあれば社会問題化し、さらに規制が厳しくなる可能性も考えられます。従って、一定のニーズはあったとしても、供給ラッシュになるようなブームは起きないと見込まれます」と書かれていました。
私の考えでは、やはりこのような狭小物件は都心部の一部でのみ需要があるものだと思いますので、どこでも喜ばれるかというと、それは違うように思います。
賃貸経営も次世代を見据えたものでなければいけないと思いますが、弊社では賃貸住戸でもしっかりと断熱性能の高いもので、入居者さんに対して、安全と快適性を低いランニングコストで提供することが当たり前になると思います。
安定的な賃貸経営をお考えなら、是非RCdesignまでお気軽にご相談ください。
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