“紙”で熱交換する換気機器「ロスナイ」ってなに? 三菱に1から教えてもらった
新型コロナウイルス感染症が5月8日に感染症法上の位置づけで「5類感染症」に変更されましたが、厚生労働省は「換気」について、基本的感染対策として引き続き有効だとしています。
三菱電機によると、省エネや節電志向の高まりもあり、これらに対応する製品として全熱交換型換気機器に注目が集まっているといいます。プレス向け説明会で、同社が展開する全熱交換型換気機器「ロスナイ」の基本的な仕組みから最新機能まで聞いてきました。
2023年7月5日 7時0分 マイナビニュース
換気の意識
これまた珍しい記事ですが、もちろん三菱電機さんのコマーシャルも含まれた内容ですので、そこはある程度承知の上で取り上げてみたいと思います。
弊社では、25年くらい前からシックハウス対策として、24時間換気システムを標準化し全ての住宅に設置してきました。当時はまだその重要性を認識している人は業界内でも少なく、換気なんてたまに窓を開ければ良いという程度の認識がほとんどだったと思います。
ようやく日本で断熱や換気が語られるようになり、多くの方に認識されるようになったのは、まだここ10年くらいではないでしょうか。
弊社の取り組み
弊社では1999年から次世代省エネ基準を超える性能の住宅を供給し、その後2016年にはハウスオブザイヤー優秀賞を受賞することが出来、RC住宅で日本の住まいの性能向上に努めてきました。
そして今、まさに時代に求められる住まいは、より断熱性能が高く省エネで快適な暮らしが実現できる家となっていることから、弊社では断熱等級7を実現できる仕様を開発いたしました。
その弊社の新商品でも一部に採用しているのがこのロスナイです。
全熱交換型換気機器とは
前置きが長くなってしまいましたが、まずは全熱交換型換気機器とは何かというと、本体に搭載する排気用と給気用の2つのファンにより、空気の交換を行いながら熱交換(温度の高い流体から低い流体へ熱エネルギーが移動すること)を行う換気設備のことです。
熱交換により、室内の熱(ここでは暖かさや涼しさのことを指します)を回収し、外から吸気する空気に伝えられるため、換気扇など一般的な換気機器と比べて、冷暖房費を安く抑えられる点が特徴です。
ロスナイの特徴
記事によれば、1970年に世界で初めて紙でできた熱交換形換気機器(静止形)として、開発・発売されましたが、発売後3年間はほぼまったく売れなかったそう。第一次石油危機後に「省エネ」という言葉の認知が始まると、徐々に市場へ浸透していったといいます。
このロスナイの最大の特徴は、給気・排気経路にある紙製の全熱交換機(ロスナイエレメント)で電力や冷媒を使わずに熱交換を行う点(ファンで給気・排気するのに電力は必要)。
熱交換の効果は
記事にあった例では、夏に室温26度/湿度74%、外気温34.5度/湿度75%の環境下で換気した場合、窓を開けて直接換気すると、34.5度の外気が直接室内に入り、せっかく涼しくなった部屋が再び暑くなってしまいます。
一方、ロスナイを用いて換気した場合、ロスナイエレメント内で熱・湿度の交換が行われ、気温34.5度/湿度75%の外気を、温度29度/湿度74%の状態まで室内の空気に近づけてから給気できます(三菱電機調べ)。
このように、換気のときに屋外へ逃げてしまう室内の暖かさや涼しさを再利用しながら換気することで、外で排気する空気に含まれる熱エネルギーのうち、約5~8割を回収可能だといいます。
この換気扇で吐き出す空気と給気口から入ってくる空気の熱を交換できれば、せっかく空調した熱が無駄になりませんから、そこが省エネにつながるんですね。
デメリットに用途とコスト
最近は時代の要求もあって、いろんな熱交換器が販売されるようになりましたので、用途や予算などによって選ぶことも可能です。が、ここでちょっと気をつけて頂きたいのが音なんです。
高気密・高断熱の住宅内は本当に静かなんですけど、その分少しの音が気になってしまうこともあるようですので、音に敏感な方は3種換気を併用することも検討してみてはいかがでしょうか。
先日にはパナソニックさんでも壁掛けタイプの熱交換気システムを発売されましたので、より選択肢が広がったように思います。
住まいは断熱と換気で快適性が決まると言っても過言ではありません。より良い住まいをお求めなら、是非弊社までお気軽にご相談ください。
RC住宅の資料を是非ご請求ください。