各地で「乾燥注意報」が発表される中 相次ぐ火災 湿度によって燃え上がる時間に大きな差が
全国で相次ぐ火災。乾燥している状態と湿度が高い状態。その燃え上がる時間に大きな差があることが実験で見えてきました。
記者「火が風にあおられて、火の粉が空に舞っています」激しく燃え上がり、建物は骨組みだけに。
2025年2月19日 20時8分 TBS NEWS DIG
お伝えしなければなりません
毎年のことながら、シーズン中は何度となくお伝えしなければならないのが、火災についての記事です。
皆さんも肌感覚で多くなっているとお感じのことと思いますが、報道される火災の件数は間違いなく多くなっていますし、残念ながら命を落とされるケースも少なくありません。
消防団員の経験では
私ごとで恐縮ですが、実は若い頃地元の消防団に席を置いていました。何度も火災現場にも出動しましたが、現実の火災現場を目の当たりにしますと、その悲惨さや絶望感、恐怖感、今も忘れられない臭いなど、リアルな体験として今も住まいづくりの指針になっています。
今日も各地で
記事にあったのは、きょう午前3時半ごろ、長崎県佐世保市で「建物の1階部分が燃えている」と通行人から通報がありました。この火事で木造2階建ての住宅1棟が全焼。住人の70代の男性と連絡がとれていません。
さらに、乾燥注意報が出ていた岩手県大船渡市では…
記者「火は燃え広がっているように見えます」林野火災が発生。防災ヘリが出動し地上と上空から消火活動が行われていますが、強い風で難航しています。
火災は関東でも…
火事を目撃した男性「強風で燃え上がるスピードが速かった。乾燥が原因かもしれない」
激しく吹き上がる炎。きょう、全域に「乾燥注意報」が発表された埼玉県春日部市では、住宅が全焼する火事がありました。
火事を目撃した男性
「びっくりしました。きょうは風が強く、燃え上がるスピードも速くて、20分もしないうちに2階部分が崩れていました」と証言されていたそうです。
湿度で燃え方に差
火災に注意が必要なこの季節。湿度によってその燃え方にどれほどの差があるのでしょうか。
そこで記事にあったのは、こちらは、札幌市の消防局が行った実験映像です。左側は湿度30%と乾燥した気候。右側は湿度80%と夏の湿った気候を再現しています。
枯れ草の上にそれぞれ火種を置くと、1分後には、乾燥した枯れ草の一部に炎が。そして、3分を過ぎると燃え上がりました。一方、湿度が高い方は、5分経っても変化はみえず。10分以上経って炎が上がりました。
つまり、乾燥していると燃え上がる時間に7分もの違いがあるのです。という実験結果となりました。
建材は乾燥させてこそ
一般的に木造住宅で使う木材は、出来るだけ乾燥させて使うことを基本としていて、理想の含水率は約15%ですが、一般の材は含水率20%くらいまで乾燥しているものが使われます。
しかしながら日本の梅雨から夏にかけては熱帯地域特有高温多湿になりますので、木材の伸び縮みや変形が発生してしまうことが多くあります。
やっぱり日本の国土には、木造住宅が適していないように思ってしまうんです。
各地で乾燥注意報が出ることが多いこの季節では、火の取り扱いに十分注意が必要ですし、一時も早くRC住宅に住み替えて頂けるようお願いいたします。