「水害後の汚泥の片付けを子どもにさせないで」美談では済まない危険性とは
台風や大雨の後、自宅の外溝や庭に溜まった汚泥を掃除する方は多いと思いますが、その作業、子どもと一緒にやってしまってはいませんか?
「小中学生には水害後の片付けをさせないで」と、長野県佐久市及び佐久医師会によるプロジェクト「教えて!ドクター佐久」がSNS上で呼び掛けています。
2023年8月23日 7時0分 おたくま経済新聞
秋は台風シーズン
まだまだ暑い日が続いていますが、確実に季節も動いていますので、そのうち秋がひょっこりと顔を出すことでしょう。
秋といえば台風です。まだこれからが台風の季節ということですので、その対策をしっかりと行っておいて頂きたいと思います。
氾濫にも種類があります
何度かお話ししたことがありますが、はん濫には「外水氾濫(がいすいはんらん)」と「内水氾濫(ないすいはんらん)」の2種類がありますね。
外水氾濫の方は、皆さんが想像するとおり河川の堤防が決壊して、大量の水が押し寄せる水害のことです。一方で内水氾濫は文字どおり街の内部で起きる水害のことで、代表的なのは下水の逆流です。
ゲリラ豪雨などでも発生する可能性がありますが、家庭内の排水は最終的には全て下水管につながっているので、下水が逆流すると家の中が大変なことになります。
ドクターさんの投稿
さて、記事で取り上げられていた投稿というのがこちらです。
「台風後、水害の片付けをされるご家庭もあるかと思いますが、汚泥には多くの有害物質が含まれており、除去は大人の仕事。子どもの汚泥掃除のお手伝いは美談ではなく、米国小児科学会は「10代までの子どもは水害後の清掃に関わるべきではない」としています。それ以外でも子どもが手伝えることはあります」(引用:教えてドクター佐久さん投稿より)
注意喚起とともに投稿された画像によると、「水害後の汚泥には、農薬、化学肥料、下水(大腸菌やサルモネラ菌などの細菌)、工業用化学物質等多くの有害物質が含まれている」とのこと。これらにさらされると、皮膚の湿疹や感染性胃腸炎にかかる可能性があるということ。
ここは子どもを遠ざけるべき
言われてみればたしかに、砂場で泥遊びをする時の泥とは訳が違い、どこから流れ着いた泥であるかわからないため、こうした見解にも納得感があります。加えて、割れたガラスやクギ等、ケガをする危険物が含まれている可能性も。ということで、これは子どもは当然のこと大人も安易には触れない方が良いでしょう。
さらに、川の付近の清掃を行う際には、大人が清掃に集中している間に子どもがおぼれたり、流されたりしてしまう可能性も。とも書かれていました。
大人も作業には注意が必要です
また、汚泥の清掃にあたる際は十分な対策が必要だということで、その内容も紹介されていましたので、是非一度目を通されておかれると良いと思います。
まずは清掃時の格好。有害物質で汚染された水に触れないよう、長袖長ズボンの服装に、マスクとゴーグル、ゴム手袋、長靴で完全防備して臨みましょう。作業中は暑くなることが予測されますので、帽子やタオルを身に着けつつ、適宜水分補給を行うのが良いでしょう。
ワクチン接種が必要
そして「破傷風トキソイドワクチン」の接種も、推奨されています。これは1968年以降出生の方であれば、11歳時に二種混合(DT)ワクチンとして接種していますが、接種後10年で効果が切れてしまうので、22歳以降の方は1回の追加接種が必要だそうです。
また、残念ながら1968年以前出生の方は、定期接種していないので基礎免疫がありません。感染症を防ぐためには、3回接種しておきましょう。これは災害時の被災地ボランティアでも推奨されていることです。と書かれていました。
ということで、ご同輩の方や先輩の方々におかれましては、災害時に少しでも人の役に立つためには、すぐにこのワクチンを接種しておく必要がありますね。
すでに体力的には衰えを隠しきれない状況ではございますが、家族と誰かのために出来ることがきっとあると思いますので、破傷風ワクチンの接種を是非ご検討ください。
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