家づくり講座第515回
台風お見舞い申し上げます。夏の終わりを感じますが、台風での被害はございませんか?それでは土曜日恒例の家づくり講座第515回をお届けいたします。どうぞお付き合いください。
事故を減らしたい
さて、消費者庁消費者安全課によると、浴槽での死亡事故の7割は、11月から翌年3月の間に発生しているとか。
毎年寒い季節になると、何度かお伝えすることなんですが、安全であるはずの住まいで発生する事故を、何としても減らしたいと思っています。
ちなみに、2016年に浴槽で亡くなった64歳以上の方の数は4,821人。同じ年に交通事故で亡くなった65歳以上の方の数は3,061人です。
このように、入浴時の『溺死及び溺水』による死亡者数が『交通事故』による死亡者数を上回る状態は、平成23年以降ずっと続いています。
注意ポイント6つ
消費者安全課は、入浴中の事故を減らすための注意ポイントとして以下の6点を挙げています。
(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖める
(2)湯温は 41度以下、湯につかる時間は 10 分までを目安にする。
(3)浴槽から急に立ち上がらないようにする。
(4)食後すぐの入浴、アルコールが抜けていない状態での入浴は控える。
(5)精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険なので注意する。
(6)入浴する前、同居者に一声掛けて見回ってもらう。
対処法6つ
そして、もし浴槽でぐったりしている人を見つけた時の対処法として以下の6点を挙げています。
(1)浴槽の栓を抜く。大声で助けを呼び、人を集める。
(2)入浴者を出せるようであれば浴槽内から救出し、ただちに救急車を要請する。
(浴槽から出せない場合、蓋に上半身を乗せるなど沈まないようにする。)
(3)浴槽から出せた場合、肩を叩きながら声をかけ、反応があるか確認する。
(4)反応がない場合、呼吸を確認する。
(5)呼吸が無い場合、胸骨圧迫を開始する。
(6)人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す。できなければ胸骨圧迫のみ続ける。
温度差のリスク
『脱衣所』『浴室』『湯を張った浴槽』の温度差が大きいと、事故のリスクは高まります。
高齢者と同居していない場合、どこか他人事のように思いがちですが、誰だっていずれは高齢者になります。
家づくりの際は、
・断熱性を高めて室内の温度差を減らす
・脱衣所や浴室に暖房設備を設ける
などの対策を検討し、安全で快適な入浴環境を整えたいですね。
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