家づくり講座第535回
梅雨入りしてしまいましたね。もちろん雨も必要なんですけど、必要以上な雨はご遠慮したいところです。それでは土曜日恒例の家づくり講座第535回をお届けいたします。どうぞお付き合いください。
スキップフロアはご存じでしょうか
さて、お客さまとお話をしていますと、何年かに一組くらいスキップフロアに憧れている方がいらっしゃいます。場合によっては雑誌の切り抜きをご持参くださり、イメージを熱く語ってくれたりしますが、それは相応にメリットとデメリットがあります。
スキップフロアのある住まいは、その縦方向の広がりが独特の住み心地を生み出します。
ちなみに、スキップフロアとは天井や床の高さを変えた構成のことです。
スキップフロアは、壁や廊下を設けなくても緩やかに部屋を区切ることができます。
そのため、高低差がある土地に利用するだけでなく、収納スペースや個性的な空間を生み出すために採用する方もいます。
スキップフロアの弱点は
ところであなたは、スキップフロアの弱点をご存知ですか?
最大の弱点は、『地震に弱いこと』です。
地震が発生した時、段差の無い床面は床全体が一体となって揺れます。
そのため、地震力は柱や壁などに均等に伝わります。
一方、スキップフロアは床が一体化していないため、地震の揺れを均等に伝えることができません。
どうしても、特定の壁や柱に力が集中することになります。木造の場合はそれが原因で、建物が破損や倒壊することもあるんです。
それでもこだわるなら
そんなリスクを減らすため、スキップフロアを採用したい時は、
・構造計算をして、耐震性を保つために必要な措置をしているか
・技術力の高い大工が担当するか
・スキップフロアを手掛けた実績があるか
等を調べ、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
木造住宅の業者の中には、構造計算をしているとアピールしつつ、実際には構造計算の方法すら分からない業者もいます。
方法は分っていても、構造計算せずに施工する業者もいます。
もし、少しでも不安を感じたなら、図面や書類を第三者機関にチェックしてもらった方が良いかもしれません。
第三者機関は、施工途中の建物だけでなく、図面や契約書などのチェックも手掛けています。
複数の業者をチェックし、予め候補を決めておけば、いざというときに慌てずに済むことでしょう。
スキップフロアの弱点2
そのほか、スキップフロアには
・においや音が全体に伝わりやすい
・エアコンが効きにくい
・プライバシーの確保が難しい
といった弱点もあります。
しかし、それらの問題を解決できさえすれば、とても個性的で開放感のある家づくりができます。
憧れと実際の暮らし
一方、こんな心配もあります。隣室と床の高さが異なる部屋を、リフォームで繋げて使うのは難しいかもしれません。
仕切り壁が少なく、人の気配を感じやすいつくりなら、来客の滞在中、ほかの家族は何かと気を使うかもしれません。
家族と起床時間や就寝時間が異なるなら、物音や照明が大きなストレスになるかもしれません。
というころで、スキップフロアを検討する時は、現在から将来までイメージしてシミュレーションし、快適に暮らせるかどうかを確かめてみましょう。
もちろんご希望があれば対応させて頂きますので、お気軽にご相談ください。