マンションの宅配ボックス、詐欺グループの受け渡し場所に…「管理人不在」「防犯カメラなし」リスト化か
福岡県警に摘発された特殊詐欺グループが、だまし取った金の受け渡しに使っていたのは、関係のないマンションの「宅配ボックス」だった。
宅配便の利用増加で急速に普及する「保管スペース」が悪用される背景には、出入り自由で防犯態勢が緩いなどの事情があった。他に同様の事例も確認されており、県警は「防犯カメラの設置など対策が必要だ」と警戒強化を呼びかけている。
2025年1月25日 15時21分 読売新聞オンライン
宅配ボックスが犯罪に
これですね、都内でも数年前から言われていたことなんですけど、住民の利便性を犠牲にすることは出来ないということから、なんとなくそのまま使い続けているマンションが多いのではないでしょうか。
まさか自分の住んでいるマンションの宅配ボックスが犯罪に利用されているとは、入居者さんもオーナーさんも想像すらされていないと思います。
記事によれば、近年、各世帯の郵便受けとは別に、住人不在の場合に使う共有の宅配ボックスが設置されている集合住宅が増えた。
ダイヤル式をリスト化
複数の種類があり、「ダイヤル式」は〈1〉配達員が郵便物を入れて施錠〈2〉任意の暗証番号を設定して不在連絡票に記載し、配達先の郵便受けに残す〈3〉住人が暗証番号を入力して開錠――の手順で利用されている。捜査関係者によると、グループが悪用したのがダイヤル式のボックスだ。ということ。
実際にこのダイヤル式は、宅配ボックスの普及初期段階から基本的なシステムとして広まってきたと思いますので、相当の数が街中に存在しているのではないでしょうか。
記事にあった事件でも、この宅配ボックスは玄関のオートロックの外側にあり、配達員やチラシの配布者らが誰でも入ることができた。管理人はおらず、防犯カメラも設置されていなかったという。詐欺グループは同じような条件のマンションを下見してリスト化していたとみられる。とも書かれていました。
目の付け所
これまでは、非対面では駅などのコインロッカーを使う方法も多かったが、防犯カメラの設置が進んで摘発されやすくなった。そこで、カメラが設置されていないことも多く、暗証番号の設定で確実に回収でき、さらに無料で利用できる宅配ボックスに目を付けたとみられるそうです。
また、今回のように受け子と回収役が受け渡しに使う以外にも、被害者に空き部屋の住所を伝えて金を郵送させ、「住人不在」と誤信した配達員がボックスに入れた後、郵便受けから不在連絡票を抜き取って開錠する手口も多くみられるという。こともあるそうです。
対策は
最近の機種ですと、電池式電子錠などで対策の考えられたものもありますので、タイミングを見て最新の宅配ボックスに付け替えると安心ですね。
もしくは、県警の人もおっしゃっていましたが、宅配ボックス周辺に防犯カメラを設置することで一定の効果が期待できますので、防犯カメラの設置も平行して実施して頂けるとより安心出来ます。
記事の中で県警は「犯罪グループは巧妙に市民生活に紛れ込み、身近な場所で犯行に及んでいる。ボックスや郵便受けの周辺で不審人物を見かけたら通報してほしい」と求めていました。
いつの時代も犯罪と防犯はイタチごっこな部分もありますが、出来ことを淡々と確実におこなて行くことが、安全につながるのではないでしょうか。
マンションの設計・施工、安全対策についても、お気軽にご相談ください。