建築大工が20年前から半減…待遇改善やインターン導入で若手人材確保の老舗企業も
建築の現場を支える大工が、ここ20年で半数以下に減っている。高齢化も進み65歳以上の割合が3割以上に。
不安定な雇用形態が一般化していることなどが背景にある中、正社員雇用やインターン制度の導入などで若い世代を呼び込もうとする企業もある。
2023年4月24日 18時50分 まいどなニュース
大工さんが激減
ネットニュースながら、このような形で私たちの業界が取り上げられるのも珍しいので、ちょっと嬉しくも思いますが、そんなことよりも事の重大さに打ちひしがれてしまいます。
私も20年以上大工さんの求人を続けていますが、年々その採用は難しくなり、今となってはほぼ不可能となってしまっているのが現状で、そこを外国からの技能実習生に手伝って頂き、技能の習得と継承を進めているところです。
記事にもありましたが、5年ごとに実施する総務省の国勢調査によると、2000年に全国の大工は約64万人いたが、2020年の調査では約30万人にまで減少。30歳未満が全体の7%にとどまるなど年齢分布が極端に偏っているとありました。
供給よりも需要が上まわると・・・
ここ20年で大工さんが半分以下になってしまったということは、それだけ国内の生産能力が無くなってしまったということですから、単に建築工事を増やされても、供給することはできません。
このことが、実は建築価格の高騰にもつながっていて、実際のモノづくり現場ではすでに絶滅危惧種の指定をしてほしいくらいの状況ですので、建築費が下がることは考えにくいと思います。
職人さんの保護育成を
記事によれば、建設職人を中心に構成する全国建設労働組合総連合(全建総連)は労働環境の改善の必要性を訴えるとして、全建総連のコメントも紹介していました。
そこでは「技能者の給与は日給月払い制が多いことから現場の稼働日数が収入に直結する」と指摘されていて、能力評価に応じた賃金形態、収入を減らさず適正な工期を確保し休日を増やすといった環境改善を目指して組合運動に取り組んでいるとのこと。
弊社でもこの全建総連さんにはお世話になっている部分もあったりしますので、この職人さんの待遇改善にはもちろん協力していますし、弊社の大工さんたちでは、月給制の採用や週休二日、有給休暇の取得なども進めているところです。
記事にあった伝統工法を守る老舗の企業さんでも、大工の雇用のあり方を見直す動きが出ているそうで、創業96年を迎える木造住宅メーカーでも、2012年から「社員大工」の採用を始めたそうです。
大工といえば、以前は棟梁に弟子入りして修行を積むというのが当たり前でしたが、そうした不安定な雇用が常識とされてきた業界を変えないと若い人は入ってきてくれないでしょう。
ものづくりを守るために
欧州の国では、職人さんの保護育成を進めるシステムが作られていて、職人さんに対する地位と収入の確保も守られていますので、若い人の憧れの職業になっているようです。
弊社では、RC住宅を造るために欠かせない技術である型枠大工を、創業以来40年以上社員として雇用を続けており、技術の継承と育成にも力を入れていますので、今のところはこのコア技術を守ることが出来ていると思います。
この技術を安売りすることは考えておりませんが、より良い結果につなげるための工夫や、スピードアップによるコストダウン、新たな施工技術の開発などは、これからも引き続き努力を続けていきます。
RC住宅を造り続けてきたその経験値は、恐らく同業者の中でもトップレベルのはずですので、RC住宅を建てるなら、是非一度弊社にご相談ください。
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