受験シーズンの「最後の追い込み」は効果アリ…脳科学者が伝授「一夜漬けの内容を定着させるための2つの条件」
記憶力を高めるにはどうすればいいのか。富山大学卓越教授の井ノ口馨さんは「ただやみくもに記憶しようとしても、覚えたことは脳に残らない。脳科学的知見から、記憶が脳に定着するのに効果的な習慣が2つある」という――。
2025年2月26日 9時15分 プレジデントオンライン
勉強のやり方
受験シーズンも大詰め、あとは結果待ちというご家庭も多いかもしれません。
今にしてみれば、学生時代に成績の良い人達は割と早い段階で勉強の仕方を体得されていたと思いますし、それはその家の家訓として受け継がれていたものかもしれません。
勉強のやり方を知っているから興味が持てたのか、逆に興味を持てたから勉強のやり方を学んだのかわかりませんが、皆さんしっかりと勉強されていますね。
脳科学の進化
しかしながら、今ひとつ興味が持てなかったり、効果的な勉強が出来ていなかったりして、思ったような結果になっていないという場合もあるでしょう。
実は今の時代、脳の働きや構造などがだいぶ解明されてきていて、その中には効果的な脳の使い方や、勉強方法などもわかってきているのです。
今日の記事でも、専門は分子神経科学という教授の書かれた本から、アイドリング脳やひらめきの謎を解き明かすということで、各種実験結果も含めて詳しく解説をされていました。
アイドリング脳と潜在意識
まず最初に記事にあったのは、僕がアイドリング脳研究をはじめた2017年の時点で、潜在意識下の脳機能について確実に分かっていたことは、2つだけでした。ということで、それが以下の二つだそうです。
1つ目は、睡眠が記憶の定着に重要である、ということ。睡眠が極端に少なかったり睡眠をとらなかったりすると、記憶できなくなります。これは科学的に実証されていたことです。
2つ目は、科学者による大発見など、高次の脳活動にとってアイドリング脳が重要らしい、ということです。これは歴史的な事実が物語ることです。
教授の書かれた本では、これらの事実を各種実験で検証しながら、脳の働きを解明してくれていましたので、その過程も大変興味深い内容でした。
一夜漬け勉強
記事の終わりには、この研究成果は、日常的なことにも示唆を与えてくれますとして、たとえば、一夜漬け勉強。そんなことに意味はない、いや意味はある、という議論がありますが、僕たちのこの研究によれば、意味があることになります。とのこと。
記事によれば、一夜漬け勉強をすると、すぐに忘れてしまいますが、その痕跡は脳に残っているのです。翌日には忘れていた参考書の内容でも、もう一度学習したら、しっかりと記憶することができた経験は誰もがあるのではないでしょうか。これはおそらく記憶痕跡細胞が脳内に残っているからだと考えられます。と書かれていました。
実験ではマウスで3日なので、人間ならもう少し長く痕跡は残っているでしょう。ただし、マウスの場合、6日後にくり返しても記憶の強化に効果はありませんでした。あまり間を空けずに再勉強するのがおすすめです。とありましたが、これは資格取得などの勉強法にも使われていますね。
そして、睡眠をとることを決して怠らないようにしてください。勉強と睡眠はセットにしてこそ効果があるのです。とも書かれていました。
そうなんですね。20代はまだまだ体力もありますから、勉強を朝まで続けてしまいそのままテストに臨んでしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、それが失敗の要因だったようです。
もし、これから受験を控えているという親御さんにいは、「勉強と睡眠はセットにしてこそ効果がある」ということをお子さんにはくれぐれもお伝えしてほしいと思います。