なぜネズミは太らない? コカインより依存度が高い「砂糖中毒」… 科学的な食欲抑制術をプロが解説!
実りの秋を迎えようとしている。旬の魚に野菜に果物、私たちの前に“誘惑”が多く現れる。そして、つい食べすぎてしまう。その結果、太る……。
人間の本能である食欲は、どうすれば抑えられるのか。科学に基づいた食欲抑制術と肥満対策をプロが伝授する。
2023年9月26日 10時57分 デイリー新潮
ネズミ以下なんて・・・
なんとも興味深い記事ではありませんか。
ようやく夏も終わり、食欲の秋がこれからというタイミングで、自分がネズミ以下の生き物と言われているような気になる、嫌な感じのキャッチコピーについ反応してしまいました。
本能に基づく食欲を抑えるために、科学的な抑制術を伝授してくれるということですので、是非そのメソッドをきいてみたいところです。
太らない理由とは
まずは記事あったのは、ネズミは太りません。ということ。
その理由として、いつでもエサを摂取できる飼育箱の中に入れても、毎日同じ量のエサを食べたら満腹感を覚えてそれ以上は食べないそうです。
体内のエネルギーが減少し、それを補うべく食欲が発動するものの、十分なエネルギーを補給できればそこで食欲は収まる。だから太らないのです。これを「恒常性の食欲」と言います。
だから人間は太る
一方で人間は太ります。
恒常性の食欲が満たされても、「心の空腹感」を満たそうとして、なお食べ続けようとするからです。例えば、「別腹」と言いつつ食後にケーキなどを食べて精神的な刺激を得ようとするそうです。
確かに、仰る通りです。すでに満腹になっているにも関わらず、何故かスイーツを食べないと決まりにならない、と思い込んでしまうクセを持っている方は多いです。
こうして食べすぎて太る。これを「快楽性の食欲」と言うそうです。なぜ人間は快楽性の食欲に影響されてしまうのでしょうか。
脳が発達したから
記事によれば、それは言わずもがな、人間の特徴は他の動物に比べて脳が格段に発達している点にあります。とりわけ、運動・言語・感情を司る前頭葉が発達したために、心の空腹感を覚え、快楽性の食欲が働いて食べすぎてしまうのだそうです。
特に現代社会は、おいしいものに満ち溢れ、快楽性の食欲が常に刺激されている状態といえます。つまり、「肥満」は「現代を生きる私たち人間の問題」といえるわけです。ここでちょっと安心出来ました。
肥満は富と健康
産業革命が起こり、また近代農法が普及して、普通の人々に広く十分な食料が行き渡るまでは、肥満は一部のお金持ちだけに起きる現象でした。しかも19世紀ごろまでは、肥満は問題視されるよりも、富や、栄養をたくさん取れているという観点から健康の証(あかし)だったのです。
西洋の裸婦画に描かれる女性はふくよかであり、日本でも平安時代から近代まではやはりふくよかな女性が理想的とされてきました。米国には、太っていることを誇りとする上流階級の結社「ファットマンズクラブ」が存在していたほどです。
19世紀の頃に戻って暮らしたいと一瞬でも考えたのは、きっと私だけではないと思います。ファットマンズクラブも、なんとなくステータスを感じてしまいました。
砂糖と脂肪は中毒に
ちょっとビックリしたのは、記事にあったネズミの実験では、コカインへの依存状態を作り出した上でコカインを断つと、3日程度でコカインを渇望する依存状態は消失します。
ところが、砂糖と脂肪が豊富に含まれたエサを与え続けて依存状態にし、その後に砂糖と脂肪を断つと、2週間経過しても依存状態にほとんど変化はありませんでした。砂糖や脂肪は、コカインよりも高い依存効果を示したのです。ということ。
甘いものや脂肪の多いものを食べて太ると、なかなか痩せられない人が多いと思います。麻薬の依存状態から抜け出すのが至難の業であることを考えると、「砂糖中毒」「脂肪中毒」から脱却できず、痩せるのに苦労するのもうなずける話ではないでしょうか。
まずは10日間
ただ、ちょっと希望を持てる記載もありました。まだまだ脳は変化を受け入れやすい組織で、10日くらい同じことを続ければ、それが当たり前の状態になります。つまり、間食を10日間やめれば、脳は間食しない状態を普通のこととして受け入れ、間食したいと思わなくなるわけです。
とにかく、まずは10日間。肥満対策はそこから始まるということですので、本格的な秋に向かって今から脳をトレーニングしておくと良さそうです。
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