雨風が強くなると「サッシ」に水がたまる…窓の施錠とレールの汚れがポイント?対策を聞いた
今年は台風の上陸が少なかったことから、窓のサッシ周りをあまり気にしなかったかもしれない。
実は強い雨風のとき、室内の窓のサッシ周りが雨水でぬれたりすることがある。窓を閉めたはずなのに気付いたら、下枠に水がたまっていたりするのだ。
これはなぜ起きるのだろう。まだまだこの季節、風が強い日には横なぐりの雨になる日もあるはず。トラブルにつながる可能性はあるのか。一般社団法人日本サッシ協会の担当者に聞くと、意外な注意点がわかった。
2023年11月6日 18時20分 FNNプライムオンライン
サッシは大事です。
このような記事が取り上げられることも珍しいのですが、さらに建築物に使用される窓サッシの構造や性能を話題にすることはそうはありません。
しかし、現代の建築物においては必要不可欠な部品であり、また建物の性能を決定するという意味でも、大変重要な部分ですので、ここは一般の方も是非ちょっと勉強して頂けると良いと思います。
レールの水溜まり
記事にあった質問では、強い雨風のとき内側のサッシに水がたまるのはなぜ?という問いに対して、協会の担当者さんの答えは下記の通りです。
サッシは可動する「戸」、周りのフレームである「枠」で構成されています。戸が閉まっている場合も下枠に雨水がたまることがありますが、これは商品の特性(水をためる構造)で不具合ではありません。ということです。
さらに、暴風時には、室外の雨水は風の圧力に押され、サッシの下枠にたまっていきます。たまった雨水は一定の高さになると重力で押し返す力が働きます。
この押し返す力で室外からの浸水を防ぐバランスをとり、水密性(雨を伴う風が吹いた時の室内浸水を防ぐ性能)を確保するのです。暴風が収まると室外の圧力が小さくなり、下枠内にたまった水は徐々に自然排水されていくという構造なんですね。
水密性と漏水
次の問いは、サッシに雨水がたまるのは悪いことではないのか?というもの。
これに対しては、サッシの水密性は、JIS(日本産業規格)による試験法と性能等級が定められています。その性能基準は等級ごとに定めた風圧で水を噴霧したとき、サッシ枠から室内側(サッシ枠から内側)へ水があふれ出したり、流れ出したりしないことを規定しています。ということでした。
最後の問いは、室内に「流れ出る」「あふれる」のはどんな要因で起きるかというもの。
対する回答は、戸をしっかり閉めていない、窓のクレセントやハンドルを施錠していないと、水密性が確保できません。特に注意してほしいのが、下枠のレール部分です。ごみや砂、落ち葉などが堆積していると、下枠内の深さが浅くなり、水があふれてしまうことがあります。ということでした。
漏水対策
記事でもサッシ周りのトラブルを防ぐポイントも書かれていました。
上記の回答にもありましたが、1つ目は戸を枠へしっかり閉めてクレセントとハンドルを施錠することです。家には多くの窓があるので、戸を閉めたつもりでも、クレセントだけが施錠されていない、最後までしっかり掛かっていないことがありますので、確実に施錠することを徹底しましょう。
2つ目も上記の記事で書かれていたように、サッシ下枠のレール部分に堆積したほこりや砂を取り除く清掃です。清掃は、掃除機のノズルでほこりを吸い取るか、割りばしなど細い棒状のものに布を巻いて取り除く方法があります。強い雨風の前に行うことをお勧めしますということでした。
さらに記事では3つ目として、窓用シャッターの取り付けをオススメしていました。
ガラスの注意点
また、その他の注意点として、台風など強い雨風のあとは、窓やドアの開閉がしっかりできるか、ガラスにひび割れがないかなどを確認ください。もし開閉がしっかりできない、ガラスがひび割れしていた場合は補修や交換が必要ですので、建築会社や工務店へご相談くださいと書かれていました。
家を安全に長く使うなら、どうしても家守(ヤモリ)の存在が重要です。末長くお付き合い頂ける工務店を是非ご利用ください。