日本の「お城」が老朽化問題瀕す…天守の木造再建で数百億円規模との試算も
日本の城は、美しいシルエットと高い建築性から観光ルートでは人気の定番ジャンル。若い世代や外国人観光客の間でもブームが続いている。
しかし、その城の老朽化やそれに伴う維持管理は、現在大きな社会課題となっている。日本の城が抱える老朽化問題には、「昭和の再建建築の限界」と「伝統的建造物・石垣の継承」などの側面がある。
2026年10月13日 8時1分 内外タイムス
遺跡と資産
お城は日本特有の建築であり歴史的な意味も含めて、その遺産は必ず後世に残さなければいけませんが、日本の城の主な目的は、敵の攻撃から守るための軍事拠点であり、同時に地域を支配する政治や権力の象徴であったということも伝えていきたいところです。
ただ残念だったのは、同じお城でもヨーロッパの石造りとは異なり、日本のお城は木造と土、そして石垣や深い堀を組み合わせて作られているというところです。
日本でも石を扱う技術はすでにあったはずですが、その技術で住まいを作ろうとしなかったのは、日本の気候や地震などの災害の多さ、さらに木材加工の技術と資源の豊富さがあったのではないでしょうか。
また、外敵に対する戦い方というか考え方も違っていて、堀と低い石垣で敵を足止めし、壊れても直せる構造を良しとした日本のお城に対して、ヨーロッパのお城では高く厚い石壁で敵を寄せ付けない壊れない堅牢な構造としていましたので、結果として現代に残る資産も大きく差がついてしまいました。
すでに75%がRC造
記事にあったのは、まず、全国に80以上ある天守のうち、およそ60が鉄筋コンクリート造りであり、その多くに寿命が近づき対応を迫られている。コンクリート建築の寿命はおおむね50~60年と言われており、単なる耐震補強で延命するか、巨費を投じて本来の姿である「木造」で復元し直すか、自治体は非常に難しい選択を迫られている。とありました。
おいおい、寿命が50~60年ということは何処にも書かれていませんし、言われてもいません。仮に話すとすれば、100年以上の寿命と言っても過言ではありません。
これに対して、現状で築後50年の構造物ならここから50年以上、メンテナンスを行いながら使い続けることが可能ですので、私個人的には耐震性能を確認しながら、適切な補強をして使うべきだと思います。
70年を超えても
さらに記事にあったのは、例えば、広島城は3月に「閉城」し、天守に入れなくなった。耐震診断の結果、大規模な地震で倒壊する危険性が指摘されたのだ。
広島城は原爆によって、もともとあった木造の天守が倒壊し、戦後、全国に先駆けて鉄筋コンクリートで再建された。復興のシンボルとして重要な役割を果たしてきたが、70年たって、そのコンクリートが劣化し建物が寿命を迎えつつある。とのことです。
築70年ということですので、それなりに風化が進んでいても不思議ではありません。それでもここまで使用できていたのは、やはりRC造だったからに違いありません。
冷静に考えてください
記事に書かれていたのは、NHKの「クローズアップ現代」によれば、選択肢は3つ。1つ目は、耐震改修して、今の天守を継続利用。これには8億5000万円かかると推計されている。2つ目は、木造でかつての姿を復元。費用は200億円だそうだ。3つ目は解体だが、それにも40億円かかるという。広島市は今後、5年かけて方針を決定する予定だ。同じような課題が全国の城にも突きつけられている。とありました。
これほどわかりやすい議論も無いかと思いますが、また木が日本に合うとか、持続性とか自然素材とか、エコとかの理由で木造を無理矢理進めようとされている方達がいらっしゃることも確かでしょう。
感情的、情緒的に木造で建て直すという選択肢を考えるものわかりますが、膨大な建築費と今後の維持管理を考えると、経済的ではありませんし、常に災害や火災のリスクにさらされ続けるということも考えると、現実的では無いことがわかります。
どうかしている
さらに記事によれば、金のしゃちほこで有名な名古屋城も、耐震性の問題などで現在は天守が閉館されているが、2017年に木造復元が決定された。市民へのアンケートでも6割以上が賛成した。名古屋市は寄付も募り、およそ500億円をかけて、2022年に完成させる方針だったが、石垣の問題が出てきた。現在の天守を解体して木造再建する際、貴重な石垣が傷まないよう、調査や補修を行う必要があるとのことだ。
そして、現在の天守に設置されているエレベーターだが、木造で復元すると、今と同じように設置することが難しいそうで、バリアフリーの問題も課題だそうだ。木造復元の完了は最短でも2032年度以降の見通しである。と書かれていました。
500億円ですよ。それも当時の見積ですから、完成した時点ではややもすると倍近くになっていることも予想されるのではないでしょうか。そもそも当時の建築にはバリアフリーという概念もありませんでしたし、ましてやエレベーターの設置など夢にも思われていなかったことでしょう。
職人さんの保護と育成も大事
最後に書かれていたのは、江戸時代から残る12の「現存天守」や国指定の史跡などには、歴史的財産であるからこその苦悩がある。文化財の修復には、伝統的な建築構法や左官技術、木工技術を持つ専門の職人が不可欠だが、後継者不足が深刻化している。そして、地震や豪雨の多発により、城の土台である石垣が崩落するリスクも高まっている。石垣は一度崩れると、元の石の正確な位置を特定して積み直す「原位置復元」に膨大な時間と費用がかかるのだ。とのことです。
日本における社寺建築の技術は間違いなく世界に誇れるものに違いありません。この建築に携わる職人さん達の保護育成もしっかりと計画的に進めなければいけないのですが、今後国内にお城が流行して年間に何十棟も建てられるということにはなりません。
お城という文化財かつ観光施設に、どれほどの資金を投入して維持管理を行っていくのか、国や自治体の予算(税金)だけではまかなえないこともわかっていますので、前提として寿命が長く災害にも強い形で残すことが重要ではないでしょうか。
あなたのお城も、RC住宅がオススメです。






