「コンクリート造だから安心」ではない? 気を付けたい″シロアリ″の対策法とは 「床下まで風を入れて」
「シロアリの生息地がどんどん広がっている。」100年以上、シロアリなどの害虫防除を専門としている、今村化学工業白蟻研究所の今村誠治さんが昨今のシロアリ事情について明かした。
木材に含まれるセルロースを栄養としており、畳や紙類なども好んで食べてしまうシロアリ。名前に”アリ”とついているが、黒アリとは生態や好む食べものが異なりゴキブリに近い生きものであると言われている。自然界においては分解者として倒木などを土に還す役割を担っているシロアリだが、人間にとっては家屋を傷付け倒壊の危機にまで陥らせてしまう害虫でもある。
2023年5月2日 18時0分 ラジトピ
ちょっと待った!
これはちょっと聞き捨てならない記事ですね。
まあ表題に?マークがある分控えめに言っているというか、あくまでも問題提起のレベルということなのかもしれません。
まずは誤解をされないようにお伝えしておきたいのですが、コンクリート造なら安心してもらって大丈夫です。構造躯体がシロアリに食べられてしまうことはありません。
日本のシロアリは
確かに、記事にも書かれていたとおり「元々は南方系の生物で、九州や西のエリアで多く見られていたシロアリですが、徐々に北上して今では北海道でも生息しています。」その通りです。
また、現在日本で確認されているシロアリは3種類。日本の一部地域を除くほぼ全土に生息していると言われていますが、一般的によく見られるのは「ヤマトシロアリ」と呼ばれるものです。
比較的あたたかく海岸に近いエリアで生息している「イエシロアリ」は大きな巣を形成し、家の天井まで食べてしまうのだとか。そして、海外からやってきた「アメリカカンザイシロアリ」も専門家を悩ませる種ということで、これは以前にもここでお伝えしたことがあります。
とにかく日本では沖縄を除く全国で木造の家が多く存在していますので、財産を守るためには、このシロアリとの戦いは避けられないでしょう。
シロアリから木造を守るには
では、シロアリ被害から木造の家を守るためにはどのような対策をすれば良いのか。記事の著者さんは「とにかく湿気を遠ざけること、風が当たれば当たるほど良い」と回答されていました。
が、これがまた残念なことに、近代の木造建築では気密と断熱を求められるようになりましたので、実質的に木材が風にさらされることが無いように作られていることが多いですね。
したがって木造建築の寿命を延命することは難しく、法定耐用年数または住宅ローンの終了とともに劣化が進むこともあるでしょう。
大切なのは構造躯体です
さて、記事にあった聞き捨てならない一文がこちら、「これまでは木造の一戸建てがシロアリ被害にあいやすい印象があったが、最近ではコンクリート造のビルであってもシロアリに狙われてしまう事があるという。」
表面にコンクリートが使用されていても、内部に木材や発泡スチロールがあるとそれがシロアリのエサとなってしまうのだそう。また、室内で畳が使われている場合はそれもエサとなるため、コンクリート造だから安心とは限らない、どの家屋でもシロアリ被害にあう条件がどこかに潜んでいると書かれていました。
要するに、シロアリが窓から飛んできて侵入されてしまった場合、内装に使われている木材がエサとなってしまう可能性があるということですので、なるべく窓を開けないようにしましょう。
仮に、内装の木材が食べられたとしても、構造的には全く問題ありませんし、内装は何度でもやり直しが可能ですので、ご安心ください。
木造住宅にお住いの方では、この時期家の周りをチェックして、羽アリを見かけたら要注意です。早めに一度専門業者さんにご相談されることをおすすめいたします。
RC住宅の資料を是非お気軽にご請求ください。