2024年に家を買う人が知っておきたい業界事情
住宅の購入を考えているなら知っておきたい建築業界の状況があります。私たちの生活に関わるあらゆる「モノ」の価格が上がり続けた2023年。衣食住の「住」の価格高騰も続いている。
ウッドショックやアイアンショック、ロシアによるウクライナ侵攻、さらには円安など資材・原材料高騰の流れは続き、キッチンやユニットバス、サッシなど住宅設備の価格は上昇。加えて建設業界で長らく続く人手不足もコストの高騰の大きな要因となっている。
少子高齢化で職人や現場監督などの人材が慢性的に不足し、若手など次世代の担い手の育成も急務ということは以前から何度かお伝えしている通りだ。
2023年12月6日 5時50分 東洋経済オンライン
価格の高騰が続く
これは実際に家を建てることをお考えの方には、非常に興味のわく記事だと思います。
私個人的には、今年一年を通して感じたこととして、現実の価格と一般ユーザーのコスト感がどんどん乖離してきたということを挙げておきたいと思います。
原材料や建材商品などの市場価格はタイムリーに値上げが繰り返されていて、コロナ禍の期間ではトータルで50%を超えるようなものもあり、全体では30%以上のコストアップとなっているのが現状です。
タイムリーな相場感
しかしながら、家を建てようと思い立った方達の相場感は10年以上前のものということも多く、結果として予算が合わず、計画を見直すということになったり、設計のみが終わったまま施工会社を探し続けてジプシーとなっている方も結構いらっしゃいました。
記事では、新築住宅建設に不可欠な専門的人材の確保には、当然人件費も必要となる。新築にかかる建設コスト高騰には、住宅資材・設備高騰に加え、「人手不足」の影響が及んでいると言えるだろう。と書かれていました。
さらにこの建設業界の人手不足、人材確保にさらなる2つの課題が生じつつある。という点も記事で書かれていました。
インボイス制度
1つめが今年10月からスタートしたインボイス制度(適格請求書等保存方式)で、これまで免税事業者だった個人事業主などの「ひとり親方」が「消費税の課税事業者」として登録すれば、実質手取り額の減収となる可能性があるうえ、事務作業などの負担が増えます。
この登録は任意ですが、職人の高齢化が進む中、インボイス制度導入を契機に廃業を検討する人も少なからずいますので、これが「人手不足」をさらに加速させる側面は否定できません。
働き方改革
2つめの懸念材料は、「建設業の2024年問題」と呼ばれる働き方改革の推進です。2019年4月、働き方改革関連法の施行で労働基準法や労働安全衛生法などの法律が改正され、時間外労働の上限規制が設けられていました。
これまで「時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)」を締結していれば、法定時間外労働として認められてきた時間外労働が、原則として「月45時間・年間360時間」までに制限されるようになったということですが、建設業界においては5年間の猶予が設けられていたもので、2024年いよいよ適用の時期となります。
購入の注意ポイントは
そこで、このタイミングで実際に住宅を購入する側として、どのようなポイントに注意すべきなのだろうか。という点も記事で書かれていました。
まず第一のタイミングは契約時だということ。契約の主導権を自分で持つことが重要で、家族の就職や進学などの「契約を急ぎたい」など個別の事情がある場合は、ついついスケジュールを優先してしまいがちになってしまうことに注意しましょう。
記事によれば、注文住宅の場合、施工会社の選定から引渡しまで含めると本来は1年半~2年を要するものであり、順調に進んでも1年はかかるものだ。ところが中には、夏に施工会社の選定を始めたのに、「3月には引き渡せる」と言ってくる業者も存在する。極端な短納期を提案してくる場合は、設計や施工のクオリティー低下につながりやすいと覚えておこう。と書かれていました。
さらに、同様に会社都合で契約を急かす業者にも注意が必要だ。自社の決算期に間に合わせるために受注を積み上げたい、などの背景が隠れている場合もあるためだ。また、契約を急かすということは、経営状態に何らかの問題を抱えている可能性も否定できない。とも書かれていました。
支払い時期には
次の注意点ですが、さて無事契約を済ませ工事が始まる際には着工金(工事着手金)を支払うことになる。その後も工事の進捗に合わせ、上棟時に中間金、引き渡し時に竣工金と、土地代を別として3:4:3のような割合で分散して支払うのが一般的です。
にも関わらず、最初の着工金で「7割」の支払いを求められたり、契約時の手付け金から多くの金額を要求されたりする場合は気をつけたほうがいいでしょう。会社の経営に難があり、キャッシュを必要としている可能性もあるためです。
もう一つ記事にあったのは、現場の状況については、自邸以外の現場を共有してくれる、見学させてくれるかどうかも大切だ。もし見学を渋るようなら、「見られたくない何かがある」とより細心の注意を払う必要も出てくるだろう。と書かれていました。
ここでも契約時と同様、家を購入する側が「主体」となって工事に関わっていくことが重要となる。ということです。
今こそRC住宅
記事では最後に、建築資材・原材料の高騰、慢性的な人材不足に加え、働き方改革の“2024年問題”、インボイス制度導入と建築業界を取り巻く状況は厳しい。だからこそ家を購入する自分たちが「自衛」する意識を持って、主役として家づくりに関わっていく知識と覚悟を持つことが今後も大切になっていく。とも書かれていました。
私たち建築業界の現状としては、記事に書かれていたとおりだと思います。そんな中でこの時代に家を建てようとお考えの方には、これまで以上に建物に関する勉強が必要なように思いますし、その結果RC住宅が選ばれる可能性が高まるようにも思います。
建築費についてもこれから10年スパンで考えると、今が一番安価だということ。この先どんなに景気が悪化したとしても、建築費が下がることは無いと思って頂いた方が良いでしょう。
一方で、工事代金を前倒しで支払うというようなことの無いように、契約時の支払いスケジュールは必ず守ってください。
弊社では来年前半の工事予定がほぼ完売していますが、後半以降はまだ若干の余裕がありますので、2024年に建てたいという方はお早めにお問い合わせください。