賃貸住宅、省エネ性能が高いと”住み続けたい・家賃アップ許容”ともに7割超! 大家などの理解進まず供給増えない課題も 横浜市調査
猛烈に暑かった2023年の夏。過去126年でもっとも暑い夏だったという気象庁の発表を憶えている人も多いことでしょう。季節は移ろい、秋へと進んでいますが未だに暑く、「夜もエアコンつけっぱなし」という人もいるのでは。
一方で、寒さ対策が不可欠な冬もあっという間にやってきます。そこで、今こそ大事になるのが「住まいの断熱化」。少しずつ世間の意識は高まっているものの、なかでも賃貸住宅における省エネ性能には課題がいっぱい。
2023年9月28日 7時0分 SUUMOジャーナル
住まいの省エネは大事です
これはまた興味深い記事ですが、一般的に社会生活を送られている方にとって、住まいの省エネ性能について考えることはほとんどないと思います。
しかし、先進国においては住宅の省エネ性能が年々高められていて、それが地球環境を持続可能にしたり、安全で快適な暮らしの実現につながっています。
賃貸住宅では
ところが、そんな話題も一戸建ての持ち家に限ってのお話しで、なかなか思うように進まないのが賃貸住宅の省エネ化なんですね。
そもそも、住まいの「省エネ性能」といっても、ピンとくる人は少ないかもしれません。省エネ性能が高い家とは、断熱性や気密性が高いということで、それらが高いと、住む人にも多くのメリットがあるのですが、記事でまとめられていた内容を見てみましょう。
そのメリットは
住まいの省エネ性能が高いと……
(1)少量のエネルギーで室温を保ちやすい →夏涼しく、冬暖かい
(2)使用エネルギーが少ないので省エネになる →電気代が抑えられる、二酸化炭素排出量を抑制できる
(3)結露が起きにくくなるためカビやダニの繁殖が抑えられアレルギーを軽減する
(4)部屋間の温度差が少なくなることで健康を維持しやすくなり、ヒートショックも抑制
(5)防音性能が高まり、生活音に悩まされることが減る
ほかにもいくつかあるのですが、端的にいうと、住む人が健康・快適で、エネルギー量が抑えられ、家計面、二酸化炭素排出量削減にも貢献できるというものです。
賃貸住宅で進まない理由
先程もお話ししましたように、省エネ化が進んでいるのは「持ち家」が中心で、借りて住む、いわゆる「賃貸」では進んでいるとはいえない状況なんですが、その理由はいくつかあります。
記事で挙げられていたのは下記のとおりです。
(1)借り手・大家・金融機関ともに省エネ住宅のメリットを知らない
(2)住まいの省エネ化を進めなくても、入居者が決まる
(3)住まいを省エネ化するために、建築費が割高になる
(4)割高な建築費をかけて省エネ化しても、賃料に反映できるか不透明
これらの状況は、賃貸住宅の高性能化、省エネ化のメリットが「知らない」「知られていない」ということなのです。こうした背景があることから、建築費をかけてわざわざ高性能化、省エネ化をしなくともいい、と思われているのが現状ですね。
さすがは横浜市
記事によれば、横浜市の賃貸住宅のなかでも断熱等級4以上の省エネ性能の高い賃貸住宅で生活する人を対象にして、モニターを募集。約1年間かけて「横浜市省エネ賃貸住宅モニター事業」を実施したということです。
さすがは横浜市です。全国に先駆けて賃貸住宅の省エネ性能を、実際に住まわれている住民さんからモニタリングして、その普及に力を入れていかれるようです。
モニタリングの結果
記事にあったモニタリングの結果としては、「省エネ賃貸住宅全体で、住んでいる人の満足度が高いことがわかっていますし、長く住み続けたいという意向も明らかになっています。大家さんからみたときには、物件の差別化ができ経営が安定することにつながります。住んでいる人にとっても、大家さんにとってもメリットが大きいということが改めて把握できました」(横浜市住宅供給公社街づくり事業課・都出さん)と書かれていました。
RCdesignの賃貸住宅は
弊社にも賃貸経営をされているオーナー様から、多くのお問い合わせを頂きますが、当然ながら投資効率を優先される計画を望まれます。
幸いにも弊社の賃貸住宅では、ほぼ一戸建ての住宅と同等の性能を発揮出来る仕様ですので、標準でも高いレベルの省エネ性能を実現出来ています。
その結果、入居者さんの居住年数が平均より長くなって、入れ替わりが少なく、もちろん入居者の満足度も高いという評価を頂いていますので、なかなか表には出ませんが、確実に賃貸経営の良い結果につながっています。
これからの賃貸住宅は
これからの市場では、ひとつは2025年、省エネ性能に関わる断熱性能が義務化されるようになり、新築住宅では「等級4」が最低基準になります。賃貸住宅であっても、「等級4」を満たさない水準の住まいは建てられなくなります。
競争優位性を保つために等級5や等級6の事例が出てくれば、賃貸物件も徐々に高性能化が進むことでしょうから、賃貸市場においても一定の省エネ性能がなければ、入居者から選ばれない時代になるかもしれません。
すでに住宅についての知識を蓄えた人が、「住まいの選別」をはじめています。また、若い世代ほど、環境についての問題意識は高いものです。クルマや家電に省エネ性能が求められるように、賃貸住宅も「省エネ性能が高くないと戦えない」という時期に近づいているようです。
これからの賃貸住宅経営においては、当然のように省エネ性能を求められる中で、よりコストパフォーマンスに優れた建築が求められるようになります。
賃貸マンション経営について、ご不明な点やご不安に思われていることがございましたら、何なりとお気軽にご相談ください。