「窓のサッシが足りない」注文殺到の意外な背景
断熱性能が低く、「夏は暑く、冬は寒い」と言われている日本の住まい。もっとも、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や新築住宅では、性能強化が進み、断熱性の高い住宅が増えてきている。
そのため、断熱性能が低いというのは主にストック(中古・既存)住宅のことを指す。ストック住宅の断熱性強化は長年あまり重視されてこなかったが、ここへきて住宅の断熱化が本格的に動き出している。
2023年6月15日 6時0分 東洋経済オンライン
サッシ関連が品薄です
これも多くの国民の皆さんにはきっと伝わっていないことだと思いますが、実は現在国内の窓サッシ関連部材が非常に品薄になっており、納期の遅延及び順番待ちの状況となっているんですね。
弊社でも新築とリフォーム、または補修工事においても、工期に影響が出ていたり、お客様にお待ち頂くこともあり、ご迷惑をお掛けしている状況もあります。大変申し訳ございません
日本の生産能力
この状況を見ても、日本国内の建築関連供給量は確実に減少の一途をたどっているように思いますので、ちょっと需要が増えるようなことがあると、すぐにこのような品薄状況に陥ってしまうんですね。
いつもお伝えしています通り、日本のものづくりは危機的な状況に変わりなく、工場の製造ラインから運送、組み立て取り付け、職人さんの絶対的な数まで、とにかく施工出来る量に限りがありますので、すぐに、安くという対応が出来ません。
日本の古い住宅は
記事によれば、日本には約5000万戸のストック住宅があり、断熱性が低い1980年基準で建てられた住宅と、1980年基準に適合すらしない住宅が全体の7割弱を占めているということ。
実は断熱性強化にあたって「窓断熱」が特に効果的であることは、前々から知られていたことですが、1970年前後には北海道など寒冷地向け住宅向けに「内窓(二重窓)」対応商品が開発、商品化されていたからで、このことが国内における住宅断熱のはじまりの1つなようです。
補助金事業で支援
そして記事によれば、その窓断熱について現在いまだかつてないほどのブームが到来している。商品を生産・供給するサッシメーカーや、施工をするリフォーム会社や業者らは対応に大わらわの状態となっている。と書かれていました。
その契機となったのは今年3月末から開始した「住宅省エネ2023キャンペーン」。総額2800億円に上る国による補助金事業で、「こどもエコすまい支援事業」「先進的窓リノベ事業(以下、窓リノベ事業)」「給湯省エネ事業」からなっています。
このうち「窓リノベ事業」がこの状況を創り出した主な要因で、ストック住宅の窓断熱改修を対象に1000億円の予算を計上。省エネ性の高い断熱窓(主に内窓)に改修する費用について、1戸あたり5万円から最大200万円まで補助するものです。
サッシメーカーは
記事によれば、例えばサッシメーカーのLIXILでは、内窓リフォーム商品「インプラス」について、4月の受注が前年同月の約3倍となったとしている。「生産力を高めてはいるが需要が当初予想をはるかに上回っており、お客さまには3カ月ほどお待ちいただいている」ということ。だったり。
このほかのメーカーも同様で、YKK APでは3月21日の時点ですでに、「納期遅延のお詫び」をホームページに掲載するなどしていて、そうしたメーカー側の動きを受け、施工側にも混乱が生じている。ということです。
国の目指す先は
そしてなぜ今、国は窓断熱を含むストック住宅の断熱強化を促進しようとしているのか。それは、2050年のカーボンニュートラルの達成を目指すうえで、民生分野においてストック住宅が最大のネックになっているからと言われています。
圧倒的に数が多い低断熱のストック住宅を放置しておけば、このカーボンニュートラル達成はおぼつかない。そこで、国は大規模な補助金の拠出というかたちで、断熱性強化に本腰を入れたようです。
そんな国益と官僚の思惑、または大人の事情により、サッシの需要が必要以上に伸ばされた結果、今のような供給不足になってしまったということです。
窓で家を性能アップ
もちろん窓周りのリフォームはその効果も高く、断熱性はもちろん遮音性や省エネ、それによる光熱費削減といった効果があることも事実ですしので、現状よりもより良い暮らしを是非体感して欲しいと思います。
ちなみに弊社は「こどもエコすまい支援事業」「先進的窓リノベ事業(以下、窓リノベ事業)」「給湯省エネ事業」の登録事業者ですので、補助金を利用したリフォームのご相談もぜひお気軽にお問い合わせください。
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