外来シロアリに食い潰される!「日本の木造の家」全滅の危機
知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回は、外来種によるシロアリ被害についてみていきます。
以前、我が国のシロアリ対策(防蟻)には問題が多く、7割程度の工務店・ハウスメーカーは、5年程度しか効果が持続せず、体にも有害な合成殺虫剤による防蟻処理を行っていることを説明しました。
そのため、新築やフルリノベーション時に、施主がきちんとした知識を持って、永続性があり人体に無害な防蟻方法を選ばないと、健康リスクがなく、資産価値や耐震性能が維持される住まいにならないのです。
2023年2月14日 10時15分 幻冬舎ゴールドオンライン
木造は身体に良い?
ちょっとショッキングなタイトルですが、このようなお話しをしてしまって本当に良いのか、また方々からお叱りを頂いてしまうのではないか、と少々心配になってしまう内容の記事です。
もちろん私の見解とほぼ同じ内容だと思いますので、記事の内容に間違いは無いのではないかと思います。
実際に私も25年くらい前に木造住宅を建てていた時には、何の疑いも無く日本における業界標準とされる防蟻処理を施していましたし、それで良いと思っていました。
当時はまだシックハウスに対する規制もなかった頃でしたから、新築の家の中に入ると目がチカチカしたり、アレルギー体質の私はすぐに反応して頭痛と鼻水に襲われることがありました。
人命よりも木材が大切
日本の気候条件の中で木材の寿命を延ばすなら、とにかく乾燥させること。木材が乾燥していれば乾燥を嫌う日本のシロアリに食べられにくいですし、腐ることも避けられますので、延命することが可能です。
しかし、木材の延命を考えると多くの歴史的建造物のような、スキマだらけの建物になってしまいますので、とても生活することが出来る家ではありません。
近年では住宅の高性能化が進められていますので、耐震性はもちろん断熱性や気密性を高めなければいけませんので、木材が空気に触れることがほぼ出来ない状態で使用されています。
建築基準法のシロアリ対策
そんな状況で現在の建築基準法では、シロアリ対策について木造建築の場合、地面から1mの構造耐力上主要な部分(柱・筋交い・土台など)に対して、必要に応じた防蟻処理を行うことが求められています。
ところが、記事によればその日本特有の状況が大きく変わってきているということです。というのは、アメリカカンザイシロアリという外来種の被害が急増しているということで、従来の地面から1mではまったく不十分になっており、従来の防蟻方法では通用しなくなっているということです。
さらに、このアメリカカンザイシロアリが厄介なのが、好む樹種がヤマトシロアリ等と大きく異なる点で、ヤマトシロアリ等は、ヒノキはあまり好まないため、製材のJAS規格耐久性区分D1樹種に分類されていて、一応シロアリ等にも強い高耐久樹種とされています。
しかし、記事で書かれていたのはアメリカカンザイシロアリはヒノキが大好物で、好みの樹種のなんと第三位に位置付けられています。アメリカカンザイシロアリの生態が住宅業界でもあまり知られておらず、いまだに、「当社はヒノキを使っているので、特に防蟻はしていませんが大丈夫です!」と言っている工務店が意外と多いことにも注意が必要だということ。
外来種対策が必要です
日本の自然もどこまで守ることが出来るかわかりませんが、すでに野山や河川にも外来種と呼ばれる生物が多く繁殖していますので、このシロアリについても外来種向けの対策を行っていくことが必要になるということです。
記事でもすすめられていたのは、防蟻効果に永続性があり人体に無害な防蟻方法として、加圧注入材やホウ酸処理が上げられていました。これらを地面から1mまでではなく、2階の柱や屋根の構造材である小屋組みまで含めた主要構造部すべてに施工することをお勧めしていました。
現在木造住宅にお住まいの方や、これからどうしても木造住宅に住まなければいけないという方には、なるべく早い何処かのタイミングで、外来種対応の防蟻処理を行って頂くことをおすすめいたします。
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