一次エネルギーの利用効率98%を実現した家庭用燃料電池、パナソニックの新型エネファーム
パナソニック エレクトリックワークス社(以下、パナソニックEW)は3月9日、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の戸建て住宅向け新製品を発表。
2023年4月21日に発売します。価格はオープン。実際の価格は各販売事業者によって異なりますが、本体と標準的な設置工事費の合計で最大150万円程度になる見込みです。
2023年3月10日 6時0分 マイナビニュース
燃料電池はご存じですか?
もしかすると、まだまだ周知が足りていないかもしれません。燃料電池という言葉は聞いたことがありますでしょうか?
一般のご家庭に供給されている都市ガスから水素を取り出して発電する装置が燃料電池なんですね。高性能RC住宅との相性も良いです。
日本では15年前くらいから市販されたかと思いますが、その頃はまだ高級車と同等の価格だったように思いますので、かなり価格もこなれてきた感じがします。
商品名はエネファーム
記事によれば、パナソニックのエネファーム製品は2019年モデルから、発電時に発生する熱を床暖房にも利用できる「プレミアムヒーティング」機能を搭載していましたが、今回の新モデルでは、床暖房に加えて浴室乾燥機にも使えるようになったことが大きな進化ポイントということです。
さらに省スペース性(設置性)も高め、従来モデルよりも奥行きを50mmスリム化。住宅外壁から500mmのスペースにも設置できるようになったということ。
より小型化が進められましたので、新築時だけでなく、既存の戸建て住宅にも導入が可能になりました。既存で床暖房と浴室乾燥機のない住宅の場合、リフォームで床暖房と浴室乾燥機を増設すれば、そのエネルギー源としてエネファームを使えます。
最初にお話ししましたように、家庭用燃料電池エネファームは都市ガスやLPガスを一次エネルギーとして、そこから水素を取り出して化学反応させ、電気と水を生み出すシステムです。エネファーム内部の燃料処理機と呼ばれる装置で都市ガス・LPガスから水素を取り出し、スタックという心臓部で空気中の酸素と反応させて発電して住宅に供給する仕組みです。
この化学反応による発電時には相応の熱が発生するため、その熱を利用してタンクにためた水でお湯を作り、給湯や床暖房などに使用します。
エネルギー利用効率
一般的な電力(発電所からの送電)だと、発電所からのエネルギーを約41%しか家庭で使えない、送電ロスが発生するのですが、エネファームの場合は発電した電気に加えて熱も利用することで、今回の最新モデルは約98%ものエネルギー利用効率を実現した点が大きな特長です。
パナソニックのエネファームは従来製品が持つ給湯利用に加えて、2019年モデルからは発電時の熱を床暖房にも利用できます。今回の新モデルは、このプレミアムヒーティング機能を強化し、排熱を利用して浴室乾燥機を動かせるようになりました。
さらに、先日も書かせて頂きましたが、近年は花粉症対策や梅雨時期の生乾き臭対策として、洗濯物を室内干しや乾燥機で乾かす家庭が増えていますね。
今回の新モデルを導入すると1年間を通して排熱を有効活用できるわけです。導入コストとランニングコストの計算はひとまず置いておくとして、電気代が高騰しているいま、家庭で省エネによる節約と環境貢献が間違いなく出来ます。
在宅避難をサポート
そしてもう一つ今回のモデルで実現したのが、災害時の「在宅避難」をサポートし、断水時の給水性を向上したという点です。
大都市では地域住民全体を避難所に収容するのが難しいことや、コロナ禍で密を避けるために収容人数に制限が生じることなどから、災害時の在宅避難が推奨されるようになってきています。
そこでパナソニックのエネファーム製品は、停電発生時の発電機能や、ガス供給が遮断したときの給湯機能などを提供しています。
最新モデルの場合、断水が発生したときでも手軽に水を取り出せるように、非常時向けに水の取り出し口を追加。2カ所から水を取り出せるようになっているそうです。
在宅避難を考えたら、RC住宅に太陽光発電とエネファームによるダブル発電がオススメですが、新築住宅はもちろんのこと、既設住宅への設置も是非検討して頂きたいと思います。
とにかく紛争の影響などで燃料費が高騰したことから急激にエネルギーコストが上昇していますし、これは今後も下がっていくことは期待薄です。カーボンニュートラル実現に向けた省エネや自宅のエネルギーコスト削減に向けて、エネファームの設置も是非ご検討ください。
実は弊社、エネファームの設置では15年前から多くの実績がございまして、地域一番機の納入からすでに2台目の買い替えまで経験豊富ですので、安心してお任せ頂けます。
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