【騙されないで!】災害時に屋根修理の詐欺、その手口が巧妙すぎる「地震・台風後は多発するよな」「向こうから声を掛けた業者とは契約するな」
能登半島地震では、多くの家屋が被害を受けました。その状況に心を痛め、「中越地震の時のように騙されないで!」と注意喚起を行う新潟の瓦メーカー、丸三安田瓦工業(@marumikawara)(新潟県阿賀野市)のSNS投稿が話題です。
丸三安田瓦工業は、2004年の新潟県中越地震で災害を体験しました。
「災害がある度、呼びかけるようにしているんでもう飽きるほど聞いたかもしれませんが、大きな地震の後は特に、詐欺業者が出回ります。修理を装い、訪問してきます。もし来ても絶対に屋根にあげないでください。自分で瓦割って高額請求してくる場合があります。高齢者とか女性はマジで気をつけて」
2024年1月24日 7時55分 まいどなニュース
悪徳業者に注意
誠に残念ながら、日本では今もまだ火事場泥棒をはたらく輩がいるようですし、お年寄りなどを狙った詐欺行為なども、イタチごっこを続けていますね。
いつもお話ししているように、住まいに関することでは私たち建築業者ももっと周知活動を行う必要があるように思いますし、一般消費者を守ることが出来ていないという点では、反省しなければいけないと思います。
災害に被災されて、一日も早く復旧させたり、または一時的な養生だけでも至急な対応を行いたいと思われることでしょう。しかし、そんな時に全くの新規取引となる業者を探すのは非常に危険と言わざるを得ません。
悪徳業者の手口
記事にあった、実際にどんな風に悪徳業者は近づいてくるのでしょう?という質問に瓦メーカーさんが答えていました。
「屋根は皆さんが自ら登って確認や修理をされる事が少ない場所なので、日頃どうなっているのか、修理が必要かどうか、よくわかりませんよね? しかも家自体を風雨から守る大事な部分のため、 災害後は早く修理したいと皆さま思われます。悪徳業者は、その弱みにつけ込んでくるんです。
例えば、『ビニールシートを屋根に掛けるだけで、1枚10万以上の高額請求をされた』という事例をよく耳にします」と書かれていました。
悪徳業者の常套手段とも言えるのが、弱みにつけ込むということと、足元を見て交渉してくるというところではないでしょうか。
さらに記事にあった例えは、若い男性がハシゴを持って、『近くの住宅で施工していたら、お宅の瓦が落ちそう(又は割れてる)なのが見えたので来ました。今なら見てあげられますよ』とやって来る…こんな事例をよく耳にします。そして登って自分で瓦を割って写真を見せる悪質なケースもあります。ということです。
訪問営業の注意点
訪問営業が来たら、まずは疑え!
同様に記事にあったのは、「屋根修理に関しては、“訪問営業”されたらまず怪しんでください。もともと職人不足な業界のうえ災害後はさらに職人たちが多忙となるので、訪問営業するような余裕はないです。あとは下記のような点をチェックしてみてください」
・車が社用車ではなく、県外ナンバー
・方言が通じない、土地勘がない
・身なりがラフ、受け答えの対応が適当な印象
・名刺、見積書をくれない
地元業者さんは
震災や台風などで地域全体が被災している状況では、その町にある工務店や専門業者は自身も被災している中でも、懸命に地域のために活動されている方が多いです。
そんな時に営業マンを大量に投下して青田刈りのように契約だけを先行して取っていくハウスメーカーも多いのですが、私としてはこれもどうかと思います。
できれば、地元の業者さんに相談して、どうしても急ぐ場合はその方から紹介してもらうようにすれば、長い目で見てお得かつ信頼が持てるのではないでしょうか。
悪徳業者対策
記事にあった悪奥業者対策は「まずは、屋根に上らせないことです。そして、その場で修理依頼を即決せず、最初に見積書をもらうべきです。女性や高齢者お一人の所を狙ってくる事が多いので、たとえ一人でお住まいだとしても、『家族と相談しないと決められないから、 名刺と見積書をください』 と言って断ってください。実際、 この時もらった名刺から詐欺業者の逮捕につながった… という事例も聞いた事があります。『付き合いのある業者にもう頼んでいます』と、知っている工事店があれば実際に社名を出すのも有効です」と書かれていました。
一般的な業者の進め方は下記のような手順が多いと思います。
①点検・修理の依頼:電話・HPからの問い合わせ
②現場調査:実際に業者が現地へ赴いて確認
③内容説明:修繕すべき箇所を依頼者に説明
④見積り:修理内容の見積書を作成
⑤施工依頼:依頼主が見積もりを確認後、施工を依頼する
⑥工事の段取り:工事スケジュールを決めて業者から連絡
⑦施工開始
適切な業者を選ぶコツがあるとすれば、上記のような手順をしっかりと説明の上、お互いのスケジュールをすり合わせながら進めてくれると思います。
記事に書かれていたのも「災害後、急ぐ気持ちも分かるのですが、原因や修理方法など、内容の説明をきちんとしてくれる業者をおすすめいたします。」とありました。
瓦も大切に
最後に、今日の記事を書かれていた瓦メーカーさんが訴えていたのは、大きな地震があるたび、瓦屋根の住宅が倒壊している所が映され、『倒壊したのは瓦が原因』『瓦が重いから建物がつぶれる』といった間違ったイメージが広がり、瓦業界は度々風評被害にあっております。ということ。
さらに、地震による屋根被害は瓦が原因ではなく、古い施工方法の住宅に多く起こり、耐震基準を満たしていない躯体の建物で倒壊が見られます。逆に言うと、瓦屋根であっても耐震基準を満たした建物は被害も少ないです。品質の良い瓦は、一枚から交換できて、長い目で見るとメンテナンスコストが低いんです。また、断熱性や遮音性、耐火性などもありメリットも多いので、どうか、瓦のことを嫌いにならないで欲しいと願っていますと書かれていました。
確かに、日本ではどうしても木造住宅が多い中で、建物の耐震性能が低いことを棚に上げて、瓦のせいにしてきたという歴史がありますね。そこに安価な屋根材が登場したことで、瓦を取り扱える職人さんは激減してしまいました。
簡単、早い、安い、うん、どこか怪しい雰囲気が漂っていますね。
失敗しない業者選びなら、是非一度弊社にご相談ください。