「ディズニーランド23個分の樹木」がたった9年間で消滅、杉並区では「約40%減」……「東京23区の猛暑化」に歯止めが効かない「驚愕の背景」
土地の面積に対し、樹冠(樹木の枝葉が茂っている部分)が覆う面積の割合を示す「樹冠被覆率」。
「緑の日傘」とも言われる樹冠が増えると、強い日差しを遮り、熱中症予防や都市部のヒートアイランド現象の緩和などの効果が期待できる。そのため、世界各国の都市では樹冠被覆率を引き上げることに力を注いでいるといわれている。
2024年12月26日 7時30分 現代ビジネス
都市化と緑の確保
世界でも各所で都市化が進んでいることと思いますが、人口増加と共に緑が減少してしまうのもある程度は仕方の無いことかもしれません。
そこで気が付いた先進国の中でも、政治がしっかりしているところでは、すぐに対策をはじめていますが、記事によると日本ではその動きに遅れをとっており、東京大学「都市・ランドスケープ計画(寺田徹)研究室」の調査によると、東京23区において、2013年の9.2%から2022年には7.3%まで減っていたことが判明したということです。
樹冠被覆率
今回の調査では、衛星画像のデータから地表の状況を調査する「リモートセンシング」という手法で、樹冠被覆率を算出したそうです。
研究室の学生さんによれば「世界各国の主要都市では、樹冠被覆率を計算した上で、都市環境をつくっていくという取り組みが進んでいます。一方、日本では樹冠被覆率という言葉自体、まだ一般的に知られていません。これまで東京23区全体を対象とした樹冠被覆率の調査はなく、実際にどのくらいあるのか、どの程度増減しているのか、それらを今回の研究で調査しました」とのこと。
減少の一途
その結果わかったのが、東京23区全体の樹冠被覆率は、2013年からの9年間で1.9%低下しており、12平方キロメートル(東京ディズニーランド約23個分)に相当するということのようです。
記事によると、2022年時点で樹冠被覆率が高いのは、千代田区(16.7%)、渋谷区(14.4%)、港区 (12.4%)、文京区(12.3%)が続く。
反対に低いのは、墨田区(2.9%)、荒川区(3.2%)、大田区(3.9%)の順となっている。
また、江東区、中央区、荒川区を除く20の区で減少。そのうち杉並区(39.5%減)、練馬区(38.2%減)、世田谷区と中野区(34.7%減)の4の区で大幅な減少がみられたということ。
減少の要因
23区全体の樹冠被覆率が減少した要因については以下のように説明されていました。
「樹冠被覆率の減少に影響を与える主な要因として、民間の住宅開発、都市の再開発に加えて、公園や街路などの樹木伐採が考えられます。
そのなかでも、樹冠被覆率の減少率がもっとも大きかった場所は、戸建て住宅(40.6%減)。次いで道路(21.4%減)、教育文化施設(18.2%減)、公園(8.3%減)でした」
住宅を建ててしまうことによって40%も減少しているということを考えると、屋根に太陽光発電パネルを載せることだけがエコということではなく、屋根の一部でも緑化する必要があるのではないでしょうか。
屋上緑化はRC住宅
となると、木造住宅ではなかなか難しい部分もありますので、やはりRC住宅をお選び頂く必要がありますね。
記事では、世界に逆行する日本「20年で国内の街路樹50万本を伐採」ということも書かれていましたが、東京でも神宮界隈で議論されているものの、どうしても経済を優先させてしまう政治では、改善するのも難しそうです。
是非都市部の屋上緑化にご協力ください。