家づくり講座第553回
今日は一転夏から冬へ戻ってしまった感じですね。寒暖差ありすぎだと思います。くれぐれもご自愛ください。それでは土曜日恒例の家づくり講座第553回をお届けいたします。どうぞお付き合いください。
住宅ローン金利の種類
住宅ローンにそれほど関心の無い方の中には、変動金利と固定金利の2種類しかないと思っている方もいるとか。
しかし、最近の住宅ローンは個性的な商品が増えています。
そこで今日は、前回と同じ国交省の調査結果からご紹介します。
現在、最も多く商品化されているのが「変動金利(97.8%)」で、2位が「固定金利期間選択型(95.5%)」です。
どちらも、家づくりを検討中の方には説明の必要が無いくらい有名ですね。
疾病保障とは
「2位が固定金利期間選択型ということは、3位は全期間固定金利かな?」と思ったのですが、3位は「疾病保障付き(91.8%)」で、全期間固定金利型を採用している金融機関は71.0%に過ぎませんでした。
ちなみに「疾病保障」とは、
・ガンなど、金融機関が指定する疾病だと診断された時
・金融機関が指定する疾病で入院した時
・その疾病が原因で、就業不能状態が一定期間以上継続した時
などに、ローンの返済が一定期間免除、または全額免除となる保障です。
以前は、「悪性新生物(がん)・脳卒中・急性心筋梗塞」の三大疾病を対象とするものがほとんどでしたが、最近は、「八大疾病」「九代疾病」を対象にする商品も増えてきましたね。
保証にはコストが掛かります
ただし、保障が充実するほど保険料は高くなります。
その保険料は、金融機関が負担する場合もあれば、金利に反映させる金融機関もあります。
また、
・一部の「悪性新生物(がん)」は、保障の対象外になる
・契約から90日以内に診断が確定した場合、保障の対象外になる
などの制約が設けられている場合もあります。
このように、疾病保障の内容は、それぞれの金融機関で異なります。
大切なことほど小さな文字で書かれている場合もあるので、慎重にチェックしてみましょう。
個性的な商品も
このほか、採用率は少ないものの、「産休・育休期間返済緩和型(4.8%)」「預金残高連動型(3.7%)」など、個性的な商品もあります。
「産休・育休期間返済緩和型」とは、
・産休・育休期間でも借り入れできる
・産休・育休期間の返済は、元金据え置きでよい(元金据え置き・・・利息のみの返済でOK。給与が減る期間の負担を軽減できる)という、子育て世帯に配慮した商品です。
「預金残高連動型」とは、預金残高に応じて住宅ローンの利息を軽減する商品です。
たとえば、借入金額が3千万円で、預金残高が2千万円ある場合、差額の1千万円に対してのみ利息が発生します。
一見、メリットしかないように見えますが、金利や事務手数料などが他の商品より高い場合もあります。また、預金に金利が付かない場合もあります。検討する時は、総返済額の試算を忘れないようにしましょう。
ローン選びは慎重に
住宅ローンは、提供している金融機関の数も多く、商品プランも多種多様なので、調べるだけでも一苦労です。
そのため、住宅会社の営業マン任せにする方もいますが、自分に合わない商品を選んだことが原因で、返済が困難になるケースもあります。住宅ローンは、詳細までチェックして慎重に選びましょう。
さまざまな住宅ローンのメリットとデメリットを比較するには、ある程度の時間が必要です。
今のうちから調べておくと安心ですよ。