家づくり講座第539回
残暑お見舞い申し上げます。酷暑の次は台風です。くれぐれも用心して早めの対策を行っておきましょう。それでは久しぶりの土曜日恒例の家づくり講座第539回をお届けいたします。どうぞお付き合いください。
さて、新築をきっかけに、エアコンの買い替えや買い足しをする方は多いものです。性能や金額を見比べて選ぶ作業は、大変だけど楽しいですよね。
木造住宅などでは、家電量販店やエアコン専門店などでも対応してくれますが、RC住宅の場合は断られることもあるようですので、予め工事中に設置されることが多いようです。
室外機がポイント
ところが、お気に入りのエアコンを購入し、希望の場所に設置したものの、使い始めてから後悔した方がいます。
その原因の一つが『室外機』です。
室外機が隣家に近いと、
・音がうるさくて眠れない
・排気が原因で庭木が枯れた
・室外機の低周波が原因で体調を崩した
など、その騒音や振動に対して苦情を受けることがあります。
人によっては、室外機の移動に加えて損害賠償を請求されることもあるんです。
人間関係の悪化や賠償金の支払いもつらいですが、新しい壁にもう一つ穴を空けるのも、かなりつらいですよね…。
設置条件の確認
そんなリスクを避けるためにも、エアコンを購入する前に室外機の設置条件を確認しておきましょう。詳細は、各メーカーのホームページで確認できます。
候補がいくつかあるのなら、それぞれの『取り扱い説明書(PDF)』をダウンロードして見比べてみましょう。『よくある質問』も参考になりますよ。
例えばパナソニックの場合、室外機の設置条件は以下のように記されています。
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・本体を水平に据え付けられ、重量を十分に支えられて騒音や振動が増大しない場所。
・雨や直射日光があたりにくく、風通しがよい場所。
・室外機の吹出口から熱風・冷風が周囲の迷惑にならないところで、動植物にあたらない場所。
・可燃性ガスの漏れるおそれのない場所。
・プロパンガス容器とは2メートル以上離してください。
・テレビ・無線機などのアンテナから3メートル以上、またテレビ受像機および、そのアンテナケーブル線から2メートル以上の間隔をとれる場所。
・排水されたドレン水が流れても、問題のない場所。
・悪臭および有毒ガスが発生していない場所。
・油・蒸気・油煙が発生しない場所。
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設置を諦めない
このほか、通風路や放熱、修理点検に必要なスペースについても細かく指定されています。間取りによっては、これらの条件を満たせないこともあるでしょう。
場合によっては、地面への設置を諦めて天吊りや壁掛けを検討したり、室外機の無い冷房方法(窓用エアコン等)にするなど、選択肢を変更するしかないかもしれません。
ちなみに、『天吊り』とは、ベランダの天井に架台を設置して室外機を置く方法です。『壁掛け』とは、外壁に架台を設置して室外機を置く方法です。どちらの架台もボルトで穴を空けて固定するので、雨水侵入の原因を減らしたい方にとっては、大きなストレスになるかもしれません。
手間はかかりますが、購入前に室外機の設置条件をチェックしておけば、部屋の位置に合った製品を選べます。さらに、何帖用という表示については高気密・高断熱住宅なら4割増しの広さでも良いと思います。
接客スタッフに相談する時は、間取り図などの図面を持っていくと説明しやすいですよ。^^