「和室文化を無形文化遺産に」…登録目指す「現代・和室の会」発足
日本の伝統的な住文化である「和室文化」を、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録することを目指す「現代・和室の会」が26日、発足した。
建築史家や建築家が参加し、会長は神奈川大の内田青蔵特任教授が務める。
2024年3月26日 18時51分 読売新聞オンライン
建築技術と文化です。
和室文化ですね。
ちょっと疑問に思って調べてみましたら、やはり2020年12月17日に記事がありました。少し前の記事でしたので記憶が薄くなっていたのですが、前回は連教育科学文化機関(ユネスコ)はオンラインで開いた政府間委員会で、日本が申請した「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の無形文化遺産登録を決めたとありました。
この中には、宮大工や左官職人、瓦屋根やかやぶき屋根、建具や畳の製作のほか、建物の外観や内装に施す装飾や彩色、漆塗りなどが含まれていました。
木や草、土といった自然の素材を活用し、奈良・法隆寺に代表される日本の伝統的な建築文化を支えてきた職人が、古くから継承してきた17分野の技術の価値が世界的に認められたとありました。
和室文化とは
そして今回は和室文化ということで、一瞬何が違うのかその差が分かりにくいと思いましたが、前回が伝統建築匠の技と技術で職人さんにフォーカスされていたとすれば、今回は日本の伝統的な住文化としての「和室文化」ということです。
一般的には区別するのが難しいかもしれませんが、前回の技術は神社仏閣や数寄屋造りなど、一般庶民の住宅を造るためのものではありませんでしたので、それと比べて今回は住文化を対象にしていますので、より庶民的な内容となるのかもしれません。
新しい和室
記事によれば、同日、東京都内で開かれた設立総会で内田会長は「過去のものになりつつある和室にもう一度着目し、伝統をどう継承してきたか検証することで、未来の新しい和室や和室文化を提案していきたい」と、あいさつした。とありました。
さらに、今後、建設業者や職人、茶道と華道関係者などにも参加を呼びかけ、一般向けの建築ツアーやシンポジウムを開き、無形文化遺産登録への機運を醸成していくということです。
無形文化遺産
記事にもありましたが、これまでにユネスコの無形文化遺産には、「和食」「能楽」など日本の22件を含む611件が登録されているそうです。
確かに今の日本では、住まいの中に和室があるケースの方が珍しい状況ですので、現存する和室は日に日に少なくなっていることと思います。
すでに和室という定義すら曖昧になっているかもしれませんが、建物本体の構造は別にして、和室を用意すること自体はそれほど難しいことではありませんので、部屋の大小に関わらず少しでも和室を残していけると良いと思います。
限られたスペースの中で6畳帖や8畳を設けるのは、確かに難しいかもしれません。でも、3畳のタタミコーナーなら、リビングや寝室の一部に設けることも出来るのではないでしょうか。
もちろんRC住宅でも、本格的な和室や茶室を設ることが可能ですので、是非ご用命ください。