なぜ年をとるほどカレーやうどん、ラーメンを選んでしまうのか…医師と歯科医師の結論「高齢者はお肉をもっと食べて」
厚生労働省が2022年に行った調査によると、歯周病ともいわれる4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は、高齢になればなるほど増加していたようです。
そのようななか「老化は口の中から始まる」と語るのは栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生と歯科医師の栗原丈徳先生。さらにお二人は、「高齢になるほど、食べやすく、炭水化物が多いものを無意識に選ぶようになる」と言っていて――。
2023年12月25日 6時30分 婦人公論.jp
好きだから
いや、なぜカレーうどんを選ぶのかと聞かれれば、私は自信を持って好きだからと答えると思います。
それは今から数十年前から、お蕎麦屋さんのカレーうどんはもちろんのこと、まだ出始めだった専門店も当然に制覇し、恐らく多くの方が人生で食するであろうカレーうどんの数を超えて食してきましたので、カレーだけに、加齢に伴って好むようになった訳ではありません。
さらに言えば、30代後半からラーメンを食べることが出来なくなって、非常に不本意ではありますがそれ以来一度もラーメンは食べていません。(その理由はかんすいアレルギーによるものです)
高齢者の好みとは
そんな前提で記事を読んでみると、私固有の理由以外にもやはり加齢の影響も多くあったことがわかります。
記事にもありましたが、高齢になると、食の好みが変わるといわれています。若いときは脂の滴るステーキが大好きだったのに、年をとったらお刺身などのあっさりしたものを好むようになったとか、そういった話はよく聞きますし、すでに実感されている方も多いのではないでしょうか。
中には加齢による食の好みの変化の1つに、牛丼やカツ丼、カレーライス、ラーメン、そば、うどんなど一皿(丼)で食べられるメニューを食べる頻度が増える人がいらっしゃるそうで、これらの食事の特徴は、食べやすいことと、炭水化物が多いことです。
筋肉の衰えが原因
記事によれば、口まわりの筋肉の3つの機能(「しゃべる」「噛む」「飲み込む」)のうち、噛む力が衰えると、固いものを噛んで食べるのが無意識のうちにつらくなってきます。ということ。
加齢とともに、ステーキなどを噛んで食べるのがだんだんめんどうになり、食べやすい炭水化物が中心のメニューに移行していく人が実に多いのです。結果、現代人は炭水化物を摂りすぎているそうです。当然、現代人はそれほど炭水化物を摂る必要はありません。
ダイエットとは違う
記事では、こういうと、ダイエット法としてブームになった炭水化物制限ダイエットを思い浮かべる人がいるかもしれません。炭水化物は糖質と食物繊維を含む食べものなので、糖質制限ダイエットと呼ぶ人たちもいますが、両者は同じ考えです。しかし私たちの考え方はこれらとはまったく違います。
まず炭水化物(糖質)は、ヒトが体を動かすためのエネルギー源。生きていくために必要な栄養素の1つなので、極端に減らすことはできません。
その一方で、今の人たちは、40~50年前の人のようにたくさんのエネルギーを必要としません。家電の普及や肉体労働の減少などで、昔の人ほどエネルギーを使わなくても生活できるようになってきたからです。
糖質の取り過ぎ注意
エネルギーをたくさん必要としない人たちが、エネルギー(糖質)を摂りすぎると、今度は脂肪肝や糖尿病などの病気を引き起こします。
記事にあった記載で恐らく一番大事な部分だと思いますので、もう一度記載しておきましょう。
エネルギーをたくさん必要としない人たちが、エネルギー(糖質)を摂りすぎると、今度は脂肪肝や糖尿病などの病気を引き起こします。
なんとも耳の痛いお言葉です。
適切な量があります
さらに記事では「適切な糖質量」というものを提唱していました。
年をとって食の好みが変わると、炭水化物が多くなる反面、たんぱく質が不足しがちです。それに加えて、たんぱく質はゆっくり食べないと消化が悪くなります。唾液の中に消化酵素が含まれているからです。
前述したような一皿で食べられるメニューは、そんなに噛まなくても食べられるので、多くの人はあっという間に食べ終えてしまいます。つまり、早食いになりやすいメニューなのだそうです。
もちろんご存知の通り、早食いをすると唾液による消化(たんぱく質などの分解)が十分行われません。ある程度分解してから胃に送らないと、胃の負担が大きくなり、胃でも十分に分解できないまま腸に送られます。
当然のことながら、これでは腸の負担も大きくなります。たんぱく質が十分分解されないまま、食べものが腸を素通りしてしまうのです。これでは、せっかく食べたたんぱく質が十分体に吸収されないことになります。
よし、肉を食べよう
そこで記事では、高齢者のたんぱく質不足を解消するため、私たちは「お肉をもっと食べましょう」と、以前から提唱しています。
しかし、それは簡単ではありません。高齢者がお肉を好まなくなる原因には、噛む力や飲み込む力の低下という理由があるからです。
お肉を食べるより前に、噛む力や飲み込む力を高めなければならないということですので、来年は何よりもこの咀嚼力を鍛えることを目標にしたいと思います。
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