2024年から変わる「住宅ローン減税」の制度 注意すべきポイントは?…
LIFULL HOME’S総研の中山です。2023年6月中旬、国交省から2024年以降の住宅ローン減税の変更点について、資料が公表されました。
これは、新築住宅を購入予定、もしくは、中古住宅を購入して外皮(屋根や外壁ほか)を含む大規模なリフォーム&リノベーションを考えているユーザーにとっては、とても重要な変更となります。にもかかわらず、周知が進んでいないことを危惧した国の対応として、公表されたものだと考えられます。
2023年10月12日 11時45分 J-CAST会社ウォッチ
住宅ローン減税制度の変更
確かにこの住宅ローン減税の変更については、あまり話題に上がることも少ないと思いますし、その結果国民の中で制度を理解されている人は本当に少ないのではないでしょうか。
住宅ローン減税も、一時は借りた方がお得になることもありましたので、その時に利用された方はローンの金利よりも減税額の方が多いという恩恵を受けられたことと思います。
ところが時代も変わって、この制度の役割は終わったという判断から、2021年には終了する予定だったかと思いますが、コロナ禍もあって2025年まで延長されることになっています。終わることも決まっていますので、機会のある方は早めに動いた方が良いと思います。
住宅の省エネ性能で大きな差に
記事にあったのも、制度の変更まですでに半年を切っていますので、新築住宅の購入や建設を検討している人は、住宅の省エネ性能の違いで、受けられる住宅ローン減税に大きい差異が発生することをご認識いただき、しかるべくご対応が必要となりますと書かれていました。
これまでに2022年、住宅ローンの控除率が年1%から0.7%に引き下げられました。その際、主に減税制度を補完し、また、省エネ住宅の普及を促進する目的で、住宅性能(主に、省エネ性能)の違いによって、年末の住宅ローン元本の上限に、段階的な差が設けられました(それ以前は、長期優良住宅であるか否かのみでした)。
ところが、2024年からは、その控除対象の元本の上限が引き下げられることとなります。同時に、いわゆる一般住宅(省エネ性能について、基準に達していない新築住宅。もしくは、省エネ性能を考慮せずに建設された新築住宅)は、住宅ローン減税の対象外――つまり、新築住宅を建てても買っても、住宅ローン控除が全く受けられなくなるということです。
改正建築物省エネ法の影響
実はこの制度変更は、ここ数年建築業界で対応を急いでいた「改正建築物省エネ法」という法律と密接な関わりがあるということ。
同法が施行される2025年4月以降は、原則として全ての建築物について省エネ基準への適合が義務化されます。ですから、施行に先立って、省エネ基準に適合した住宅を増やすため、住宅ローン減税においても2024年1月から省エネ基準に適合していることを必須要件化したということらしいです。
この省エネ基準に適合していることの証明には、建設住宅性能評価書、もしくは住宅省エネルギー性能証明書が必要です。
どちらも住宅を購入・建築したユーザーが単独で取得することは困難ですから、設計者、施工者、仲介事業者のサポートが必要となりますし、後から対応するのは難しいので、設計を始める時点でどの程度の性能を目指すのかを決定しておく必要があります。
中古住宅の場合は
一方の中古住宅に関する住宅ローン減税制度はどうかというと、2022年の変更以降は変わりがないということが書かれています。
それは、中古住宅=既存住宅のため、上記の住宅・不動産分野での温室効果ガス削減目標の対象にはなりません。したがって、中古住宅を購入・取得して省エネ改修を実施した場合には、相応の補助金を出すこととする。そして、新築住宅とは違った方法で省エネ対策を推進し、住宅ローン減税は継続しているのですね。
住宅と省エネ
新築、中古、いずれにしても一定の省エネ基準に適合しなければ、今後は住宅としての価値が認められないということになってくるかもしれません。
まだまだその実力をご存じない方も多いと思いますが、省エネ性能が高い住宅は、イニシャルコストは高くても、光熱費などのランニングコストが安価に抑えられること。また、補助金もさまざま用意されていること。さらには、室内の寒暖差が少なく、結露によるカビやダニの発生も抑えられること、などなど……。
こうした断熱性能、省エネ性能の高い住宅のメリットを理解し、より「お得に快適に」日々暮らすことができる住宅を購入・建設していただきたいと思います。
この省エネ性能を実現して安全・安心して暮らせるのが、RC住宅なんですね。
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