さらば中野サンプラザ、オーラスの達郎ライブで有終の美を飾れ
東京の名所がまた一つ消える。中野サンプラザだ。老朽化のため50年の歴史に幕を下ろす。レストランやホテルをはじめとする大部分が6月30日、ホールは7月2日で閉業。山下達郎のライブでオーラスだ。常々サンプラザホールをホームグラウンドと公言している達郎。
キャパ2222人という小ぶりな「箱」だが、その分、アーティストと観客の距離が近い。残響が少なめの、やや「デッド」なホールで、音がダイレクトに伝わる。ごまかしが効かないのも特徴だ。音にこだわりの強い達郎が好むのもうなずける。
2023年6月11日 18時30分 BCN+R
中野サンプラザ
サンプラザですね。東京出身の方や近郊に住んだことがある方なら、その存在はもちろんご存知のこと、一度は足を運んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
私も何度かコンサートに行ったことがありますし、若い頃の一時期近くの事務所に勤めていたことがあったり、知り合いが近くに住んでいたりと、少なからずご縁もあったかなと思います。
そんな半世紀にもわたってランドマークとして存在していた建物が、いよいよ解体されるということで、非常に残念ですし、日本の日本人の建築に対する意識や価値観を考える機会になるといいですね。
最後は山下達郎
記事では、中野サンプラザを好んで使用していたという山下達郎を紹介していました。なんでもシュガー・ベイブ時代から今日に至るまで、彼の音楽人生とともにあったといっても過言ではないだろうとして、サンプラザ最終日のアーティストは、達郎こそふさわしいと書かれていました。
確かに山下達郎は、日本の誇る天才の一人だと思いますし、私も数少ない日本人アーティストで好きな人の一人ですので、そのコンサートには行ってみたかったです。
経緯と思い出
あまり詳しくない方のために、記事によればもともとの正式名称は、全国勤労青少年会館。旧労働省の特殊法人、雇用促進事業団が建てた。1973年6月1日に開業し、2004年に民営化した建物なんですね。
その中でも有名だったのは8階の「ヤングフロア」。全国各地の地方紙が読める「ふるさとコーナー」は、故郷を懐かしむ若者が多く訪れ、定期的にメディアが紹介していたとか。
ほかにも、イベント時に登場する、3分だけ田舎に無料で電話できるコーナーも人気だったそうですが、これはインターネットも携帯電話もなく、料金が気になって、気軽に遠距離通話ができなかった頃の話だそうです。
日本人の価値観
で、ここからが本題で、銀座の中銀カプセルタワービルといい、赤坂プリンスホテルといい、東京にあったユニークな建物はどんどんなくなっていく。神社仏閣は残せても、近現代の建築遺構は残らないという事実。
記事の著者さん曰く、そういえば、閉館間際の赤プリに一度行ってみたことがある。ロビーこそ広々としていたが、部屋やレストランは驚くほど狭く、バブル期のきらびやかなイメージからは程遠かった。中銀カプセルタワービルも部屋によっては雨漏りがひどく、草が生え放題の状態だったと聞く。中野サンプラザも、現役の施設として利用するには、つくりのそれぞれが小ぶりで古く、時代の流れから取り残された感は否めない。と書かれていました。
紙と木と竹
さらに、日本家屋は紙と木と竹でできているから残らないと言われたものだが、今時そんな建物は少なくなった。古くなったとはいえ、立派な建造物をなぜ残せないのか。結構な維持費がかかることはわかる。非効率だ。しかし、人々の記憶にとどめるだけでいいのか。という問題提起をされていました。
今日の記事では、近現代を物語る建物は何一つ残らないのではないか。サンプラザだって十分残す価値のある建物だと思う。こうした「歴史的建造物」が残せないとは。残念至極だと締められていました。
百窓の家
そう言えば先日、いつもご愛顧いただいているオーナー様から紹介された建物がありました。こちらの写真の建物なんですが、「百窓の家」として日本の建築史にその名を残されている作品です。ありがとうございます。
現存していれば私と同じ歳だったかと思いますので、今から60年近く前にRC住宅として竣工されたんですが、当時はその近未来的な外観から多くのテレビ番組で使用されていました。
この建物なども、まさに歴史的建造物として扱われなければいけなかったと思いますし、残しておいていただければ、きっと多くの若い人が勉強できたと思います。
日本のためにRC住宅を
弊社のお客様がおっしゃていた言葉で、「紙とホチキスで作ったような家にお金は払いたくない」と言われたことがありました。本当に現在の木造住宅が作られている様子を見れば、そう感じるのも無理はないと思います。
50年、100年後に、子孫に喜ばれ、災害時には地域のランドマークとして残っている家を、是非日本のために残して欲しいと思います。
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