真夏のエアコンで死者3割以上減少、排熱で気温上昇のデメリットを上回る…国立環境研究所など推計
真夏にエアコンの利いた部屋で過ごすことで、熱中症や暑さによる持病の悪化などで亡くなる人を3割以上減らせるとの研究成果を、国立環境研究所などのチームがまとめた。
近年、猛暑による高齢者らの死亡リスクが高まる中、エアコンの適切な利用が命を守ることを改めて裏付けた。
2024年6月25日 13時45分 読売新聞オンライン
画期的で恐ろし研究成果
これはかなり画期的な研究成果ではないでしょうか。
今日目にした別の記事では、4割を超える人が夏のエアコンを我慢するつもり、という恐ろしいアンケート結果がありました。
そのアンケートでは「今年の夏はより節電に取り組みたいか」と聞いたところ、「積極的に取り組みたい」が27%、「どちらかと言えば取り組みたい」が50%だったそうです。その姿勢はもちろん良いことなんですが。
そのうえでエアコンの利用を我慢するか尋ねたところ、10%が「かなり我慢したい」、33%が「やや我慢したい」と答えたというのでビックリしたところです。
命と電気代どっちが大切
命と電気代どちらが大切ですか?エアコンをつけっぱなしにしておいた方が、電気代を節約出来ることはご存じでしょうか?お年寄りは暑さを感じる温度センサーの反応がちょっと鈍くなっている場合もあります。
とにかく、エアコンの使用は絶対に我慢しないでください。くれぐれもお願いいたします。
命を守るエアコン
さて、今日の記事ですが、エアコンの利用で夏場の死者をどの程度まで具体的に減らせるかを示した研究は初めてということらしいです。
記事によれば、チームは、大阪、神戸、京都、大津、奈良、和歌山と堺市の計7都市で、近年の8月の気候や、ビル・住宅に設置されたエアコンの排熱状況をコンピューターで再現。過去の気象データや死者の状況、エアコン保有率などの情報を加え、暑さによる死者数を推計したそうです。
その結果、7都市における8月の平均気温は28・2度と算出され、エアコンを全く利用しない場合、同月の死者は1900人と推計されたが、エアコンを保有する全世帯が使うと、686人減少したということ。
さらに地球温暖化で平均気温が3度上昇したと仮定すると、エアコンを利用しない場合の死者はさらに増えて9803人に上ったが、利用すれば4628人減らせたそうです。
また、エアコンの排熱が気温を押し上げる影響を加味した推計では、3度上昇の条件で死者は342人増えたものの、エアコンを使った方が死者数を抑える効果は大きかった。
付けっぱなしの連続運転が正解です。
チームの同研究所気候変動影響観測研究室長は「エアコン利用の重要性を示せたが、排熱を抑える研究も必要だ」としているが、成果をまとめた論文が国際科学誌に掲載されたそうです。
東京大准教授(環境社会システム学)の話では、「意義のある成果だ。エアコンによる死者数抑制の効果が、排熱のデメリットを明確に上回ることを将来予測も含めて示せたのは大きい」と書かれていました。
日本の家電メーカーさんが作るエアコンは、非常に省エネ性能に優れていますので、今のように電気代が高い状況下では、そのコストメリットは想像以上に大きいと思いますし、さらに断熱性能の高い家ならより省エネ効果が高まります。
一人暮らしでも、二人暮らしでも、もちろん大家族でも、これからの季節では窓をしっかりと閉めて、エアコンの連続運転を実践してください。それがあなたと家族を守ることになるんです。
より省エネを目指すなら、高断熱のRC住宅がオススメです。