阪神大震災で弟失った男性、土木一筋の28年…「災害に強い街」誓う
6434人が犠牲となった阪神大震災から17日で28年となる。
大阪府大東市の土木工事会社経営、西部圭介さん(53)は弟の直行さん(当時23歳)を亡くした。大学4年生で就職も決まり、将来への夢が広がる矢先に人生を絶たれた。その無念を思い、「災害に強い社会をつくる」と仕事に励んできた。17日の震災忌は、弟を悼み、誓いを新たにする日だ。
2023年1月17日 12時55分 読売新聞オンライン
28年という時間を自分の人生と重ねますと、それ相応に長い時間が経過したように思います。
繰り返しのお話になってしまいますが、私と弊社が建築屋としての意義と方向性を決定付け、ターニングポイントとなったのが、この阪神・淡路大震災でした。
もちろん私も生まれて初めて目にした光景は、日本国内の建築技術を全否定されたような感覚でしたし、同時に建築屋という仕事の無力さを感じたことを、今でも鮮明に記憶しています。
そんな震災を経て、記事にあった被災者の方は弟さんを亡くしてもなお「災害に強い社会をつくる」と奮闘されてきたということですが、直接被災したわけではない私も同様に、「災害に強い家を造る」と誓ったんです。
ところが、実際に強い家を造ろうとすると、日本では古い風習や固定観念、または既得権益や忖度などが多く存在していて、冷静に考えればわかることでも、あえて分かりにくくして保護しているようなところが多くありました。
本当に長い間、日本国民のほとんどの人が家イコール木造と思っていましたし、なんの疑いもなく木造で良いということになっていましたし、それを元にいろんなシステムが作られてきました。
それは建築基準法はもちろん、各種税制や関連法整備なども木造住宅ありきで考えられたものが多くあり運営されてきましたから、前例の無いRC住宅では無理やり基準に合わせさせられるようなこともあります。
弊社ではこの28年間でもそんな見えない壁と戦いながら、改良と改善を繰り返して今の工法や仕様となっています。しかし、まだまだ普及には程遠い状況ですので、もっともっとRC住宅を普及させられるように、頑張らなくてはいけません。
私も毎年この日を迎える度に、初心を思い返して誓いを新たにしていますが、最近の風潮ではまたしても構造をおざなりにして、省エネやデザインが語られる傾向が見られます。
長い間業界を見ていますと、定期的に目くらまし的な要素が出てきて、本質を見えにくくされているように感じます。もちろん環境もデザインも大切です。私が言っているのは何よりも構造が大切ということで、順番を守って欲しいだけなんです。
近年では、耐震性能だけでは命を守れないということも明らかになってきて、津波や台風、洪水や竜巻などの自然災害にも対応しながら、さらに快適性と省エネ性を同時に追求していくことが求められています。
そんな全ての要素を高いレベルで実現できる、これからの時代に益々必要とされるのがRC住宅だと思いますので、災害に強い家と街の実現に、RC住宅の普及に是非ご協力ください。
まずは資料請求から。