2050年の孫は「家なき子」 住宅、建てるも直すも難しく
日本は人口が減る。住宅事情は良くなるだろう。都心はまだまだ人気かもしれないが、郊外では広々とした新築に住めるかも。
期待しながら不動産店を訪ねたら「新築は無理ですね。大工がいません」。全国に2000万戸ある空き家は壊れ、とてもじゃないけど住めない。2050年、孫たちは「家なき子」になる。
2024年1月14日 5:00 [会員限定記事] 日本経済新聞社
絶滅危惧です。
これが現実なんですね。
一般の方には想像も出来ないことだと思いますが、いつもお伝えしておりますとおり、日本のものづくりは本当に危機的な状況であることに間違いありません。
これまで日本を支えていた団塊の世代と呼ばれる方達が、コロナ禍で引退を考えるようになり、いよいよ今年は実行に移すという親方も多いのです。
ある程度の組織で、親方が現場に出なくても、若い衆の育成が進められている業者さんなら、まだしばらく対応可能でしょうけど、一人親方や親子で行われている場合などでは、今後対応出来る仕事量に限りが有るのは当然です。
これは建築に限らず、観光地の特産品や民芸品、人の手間を掛けて造られる日本のものづくり全体に言えることだと思いますが、何十年も前から言われていたにも関わらず、技術の継承が進まなかった影響も大きいと思います。
技術者不足と使えない空き家
記事にもあったように、そのうち景気が悪くなったら家も安くなるだろうから、そうなったときに買えば良い、などと思っているとあなたの孫世代では住宅難民になってしまうかもしれません。
政府も既存の住宅を有効利用することをすすめていて、リフォームに対する補助金などの優遇策を打ち出していますが、社会問題化している空き家にしても、そのうちどのくらいの建物が使用可能なのか、耐震性能や断熱性能など一定の性能を担保出来るものでなければ、安心して利用することは出来ません。
資産と財産
以前からお話ししていますとおり、日本には残念ながら資源は多くありません。それでも時代の一時期に世界一の経済大国まで辿り着いたのは、諸先輩方の努力があったからこそです。
しかし、残念ながらその後の失われた30年を経て、現在の最貧国へとなってしまった一因として、家を資産とせずに消耗品として消費をしてきてしまったことではないかと私は考えています。
欧米の他の先進国では、住宅の平均寿命が100年を超えている国が多いのですが、日本では20年そこそこという時代が長く、最近になってようやく30年前後になってきたところで、いまだに法定地用年数は22年のままです。これでは資産とは呼べません。
30年前後で建て替えが必要になる家や、自然災害や火災で失われてしまう家ではいけないんです。
孫を家なき子にしたくはありません。現役世代の責任で、孫世代に喜ばれる家を残すことを考えて頂きたいのです。
そのために、是非一度RC(鉄筋コンクリート)住宅をご検討くださいますようお願い申し上げます。